今年最初に紹介するコミックが「絶薬」というのもアレですが……。
近所の書店で、DVDや人気コミックを借りるついでにレンタルしてきて、ちまちま読んでいました。
この巻で紹介されている人物
ボビー・バレンタイン:君は今人生を楽しんでいるかい?
C・W・ニコル:僕はいつもチョイスのある人生を送ってきましたから……
レシャード・カレッド:剣を抜いたほうが負けなんです。
小山内美江子:汗なら流そうじゃないの!!
大槻ケンヂ:「もてないこと」が理由なわけですよね……
藤村靖之:万が一壊れたら、お父さんが直すんです。
飯島博:それはあるんだけどうまく表現ができないんですよ。
寺脇研:大事なのは失敗しても「やりなおせること」だと思うんです。
山田バウ:人生はレストラン。
漫画家山田玲司氏が各界の大物にインタビューをするという、コミック版「徹子の部屋」なわけだが、最初のうち、とくに2巻や3巻ではインタビュアーのフィルターが濃くて(つまり聞き手の価値観が強く出過ぎて)、肝心の人物像が伝わりにくかった。
それが、大槻ケンヂ氏とニコル氏の名前に惹かれて手にした7巻は、素直に「この人スゴイ」と思わされるインタビューが多くて、感動すらした。両氏のインタビューが興味深かったのはもちろんだが、「非電化製品」の発明に取り組んでいる藤村靖之さんの話が思いがけず良くて、目からウロコが落ち、心から垢が落ちたような気持ちにさえなった。
それぞれの分野の第一戦で活躍する人、世界に通用する人、これと決めた世界で自分の戦いを戦っている人、いろんな人がいるけど、何かを成し遂げた人たちには共通のオーラというか強さと懐の深さがある。
今日、11巻も読んでみたけど、山田玲司氏のインタビューの腕はますます上がり、かつては色眼鏡のようだった人物観察フィルターは、ほぼ透明かつ必要なことは間違いなく通してくれる秀逸なものになっていた。大物や偉人との対話は、やはり精神の貴重な糧になるんだな。
たいていの人間は、日々の生活に追われているうち、どうしても視野が狭くなって自分の手の届く範囲が世界のすべてだと感じるようになってしまう。考え方が矮小化する。そんな時に「絶薬」はよく効く。世の中はもっと自由で破天荒でスリリングで楽しいと教えてくれる。
第97話「色欲聖者の鬼」前編(団鬼六氏へのインタビュー)より
山田「女がいないと仕事ができない人種っているんですね」
団 「ああ、いますいます」
山田「でも女の人って思うようにいかないものじゃないですか」
団 「そんなもん『好きだ好きだ』って言っておけばいいんですよ」
山田「女の人とはどんなふうにつきあうのがいいんでしょうかねぇ…」
団 「そんなもん、あれですよ」
「やって逃げる!! これが一番だな」
山田「先生…。やって逃げてきたんですか?」
団 「それができない。泣かれたらしゃあない。ダメなんやなあ…」
山田(優しい人だよなあ…)
山田「僕は恋愛ってのは人生にものすごくいい効果をもたらすと思うんですけど…」
団 「ありますあります」
山田「苦しいこともありますけどね」
団 「ありますあります」
山田「傷つくのがイヤだからって、恋愛をしない若者ってどう思われますか」
団 「アホだな」
11巻の中ではこのやりとりが一番面白かったなぁ。
オリバー・ストーン氏のインタビューも圧巻だったけどね。気になる人はどこかで入手してその目で確かめてください。
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