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びおら弾きの微妙にズレた日々

「のだめカンタービレ(25) <完> 」

4063408264のだめカンタービレ(25) <完> (講談社コミックスキス)
二ノ宮 知子
講談社 2010-12-13

by G-Tools


ええと、のだめは23巻が最終回で、24巻と25巻は、千秋くんが日本でアマチュアオペラを振るという番外編なんです。でもタイトルの後ろに〈完〉とついていることからわかるように、これが実質的な最終回。のだめと千秋はちゃんと目に見える形で約束をかわします。
オペラ編のお題は、モーツァルトの「魔笛」。勇者(?)タミーノが夜の女王の娘、パミーナを悪者ザラストロの手から救い出しに行くことになり、なぜかお供に鳥打ち男のパパゲーノがついてゆくことになって、ザラストロのもとで一緒に試練を受けたりなんだかんだしているうちに、二人とも愛しい相手を見つけ出して結ばれるという筋書き。(正確を期する場合は「魔笛 あらすじ」でググって下さい)

もとから明るく荒唐無稽な筋書きなのだが、これがのだめワールドで展開されるとなると、良くも悪くも個性豊かな役者ばかりがそろい、出演者の主張はてんでばらばら、新米指揮者の千秋の手に負える集団ではなくなってくる。脂肪の壁にはばまれたお姫さま、やたら神経質すぎて使えない勇者、コンマスの席を奪い合う1stバイオリントップブルートの二人……。(だれもかれも可笑しすぎする)

自己主張のエネルギーばかりがムダに渦巻く舞台をまとめ上げたのは、名実共に魔法の鈴だった。パパゲーノが持つ魔法の鈴の音は、のだめが影で弾くチェレスタの音。個性の強さと表現力では誰にも負けない「世界ののだめさん」ですから、彼女の楽しげな音に導かれて、舞台に魔法がかかる。その舞台を指揮するのはほかでもない、千秋。

これまで同じ音楽の道にいながらずっとすれ違ってきた二人が、やっとひとつのステージに立って同じ音楽に参加して居るんだと思うと、ファンとして感無量なのであります。

にしても、のだめとモーツァルトって本当に相性いいねぇ。

数年前に、モーツァルトのピアノコンチェルト27番をやったことがあって、そのとき当時のオケの音楽監督は、パンフットでモーツァルトの音楽について「人間のすべての感情が込められている」と評していた。
後にシンフォニーの40番を弾いた時には、まったくその通りだなあと感無量だったことを思い出す。喜び、悲しみ、冗談、嘆き、憧憬、諦め。そういったものが、技術の粋を究めつつも子どものような率直さで表れている。
のだめのピアノもきっとそういう風なんだろうなと想像する。ちなみに実写映画版ののだめでは、のだめのピアノの音はランランが担当したとか。ものすごい納得。というか、これはいちどレンタルして聞かなくちゃいけないね。

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