びおら弾きの微妙にズレた日々

呼吸する楽器

少し前の話になるが、地元の美術館でロビーコンサート、しかも夜の部を行うというので、興味津々で出かけてみた。この美術館、こじんまりとしていて静かでゆっくり鑑賞できるのだが、焼き物の町にある関係で、陶磁器関連の渋い展示が多く(時々大ヒットの面白い企画展もあるのだが)、正直言ってあまりパッとしない美術館。でも、そこがあえて閉館後にもう一度開館して、ロビーコンサート&特別鑑賞を行うという冒険に出た。




突き上げた拳の向かう先

公開されたかと思ったら、たちまちあちこちで評判になった映画「ボヘミアン・ラプソディ」。イギリスの伝説的ロックバンド、クィーンのリード・ボーカルである、フレディ・マーキュリーの半生を描いた作品だ。

クィーンをリアルタイムで味わったのが、80年台に若者だった人たち。つまり、自分たちの世代だ。それで、身の回りでやたらに「良かったー!」という声が多い。それだけファンが多いという証拠だが、ひいき目や感傷だけで誉めているわけではなさそうだった。もし駄作だったら違う方向で話題になっているはずだから。ついつい、クィーンのことをあまり知らない自分も「いったいどんだけスゴいバンドなんだ?」と好奇心の虫が騒ぎ出し、映画館へと足を運ぶにいたった。

そして……。いやあ、見てよかった。一人の人間のドラマとして見ごたえがあったし、やはり伝説のバンドだけあって、ふんだんに流れる音楽はカッコいい。名曲が生まれるエピソードやライブシーンは非常に興味をそそる。「この人たち天才」感が溢れているし、本質的に良いものはあらゆる境界を超える。

というわけで、以下ネタバレありの感想となります。あくまでも映画の内容に基づく感想なので、そのへんご了承ください。





「千人の交響曲」における「千」とは限りなく巨大な何か

というわけで(タイトル参照)、先月に続いてこの10月も名フィル定期演奏会へお出かけ。
今回は文豪シリーズ「ファウスト」編で、内容は次の通り。

〈プログラム〉
マーラー: 交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』
〈出演〉
小泉和裕(指揮/名フィル音楽監督)
中部フィルハーモニー交響楽団(共演)
並河寿美(第1ソプラノ)
大隅智佳子(第2ソプラノ)
三宅理恵(第3ソプラノ)
加納悦子(第1アルト)
福原寿美枝(第2アルト)
望月哲也(テノール)
宮本益光(バリトン)
久保和範(バス)
グリーン・エコー,名古屋市民コーラス,名古屋混声合唱団,一宮第九をうたう会,名古屋シティーハーモニー,クール・ジョワイエ(合唱)
名古屋少年少女合唱団(児童合唱)


音楽って自由なんだと再認識した日

この春からずっと忙しくて、演奏会に出るのに手一杯で、演奏会を聴きに行く、ということができずにいた。秋が近づくにつれ、少しずつ時間と気持ちにゆとりが生まれ、先日は、ようやく名フィル定期に足を運ぶことができた。今期の定期演奏会のテーマは「文豪シリーズ」。調べてみればおいしいプログラム目白押し。

9月定期のテーマは「不安の時代」。イギリス生まれの作家 W.H.オーデンが1947年に「不安の時代」という長編詩を出版し、ピューリッツァー賞を受賞したが、バーンスタインはこの詩に触発されて「交響曲第二番」を作曲した。この曲がメインとなる。前プロは同じくバーンスタインの、政治的序曲「スラヴァ!」、そして有名すぎるウエストサイドストーリーより「シンフォニック・ダンス」。

指揮者は今をときめく川瀬賢太郎、ピアニストはやはり大人気の小曽根真。どうしたって期待は膨らむ膨らむ。