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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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オルガンの響き

先日の日曜は、豊田まで、長久手フィルの定期演奏会を聞きに行ってきた。
いつもは長久手市文化の家で開催されるのだが、今期は、改装工事と重なってしまったため、市外遠征となった。
名古屋のホールへ打って出るかと思いきや、豊田! 渋い選択だと思う。
豊田のホールは小ぶりながらもパイプオルガンを備え、よく音が響くホールなのだ。
そして駅から近い。屋根付きの直通通路が通っていて、その道はいくつもの商業ビルともつながり、町の見晴らしを楽しんでいるうちに、ホールの建物に着いてしまう。
難を言えば、車で来たとき、駐車場探しが面倒なくらいか。





今回のプログラムは……
ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
ドリーブ バレエ音楽「コッペリア」より抜粋
サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」

派手なタイプの曲が得意な長久手フィル、今回はフランスもので攻めてきた。
(たぶん、7年前にベルリオーズ「幻想交響曲」をやった時以来)
もちろん、「オルガン付き」ありきの選曲だったと思うので、とても妥当なプログラムだと思う。
気になるのは、どうやって長久手フィルがこのプログラムを料理するか。
イケイケどんどんな派手な曲が得意で、ベートーベンやブラームスではどうしても苦戦してしまうこのオケが、今回はどんな音を聞かせてくれるのか、楽しみににして出かけた。



「ローマの謝肉祭」は、あの「幻想」の作者、ベルリオーズによる演奏会形式の序曲。
ベルリオーズは管弦楽技法の本を書いているくらいなので、楽器の使い方はとても色彩豊か。
オーケストラは健闘していたが、音楽に命を吹き込むまで、あと一息、な感じがする。

「コッペリア」は人形に恋をしてしまう青年を中心に周囲が大騒ぎするという、まあ、一種のコメディ。
その付随音楽なので、物語の雰囲気が伝わってくるかどうか心配していたら、ちゃんと伝わってきた。
全体的にまったりと進む音楽だったが、チャーミングな曲だし、あちこちに小技が仕込んであるのが楽しい。
特に第4曲など、人形が踊っているのかな、と思わせる雰囲気がお茶目だった。
(ああでも、弦楽器のピッチの幅が広いのだけが残念 >_< )

そしてお待ちかね、「オルガン付き」ですよ。
豊田のホールにパイプオルガンが備えてあることは知っていたが、音を聞くのは始めて。
というか、パイプオルガンの生音って、愛知芸文センターのしか聞いたことがないのね。

見た目はアンティーク調の豊田のパイプオルガン。
響きは完璧でした。
おそらくここのホールはオルガンの響きが最適になるように設計されているのだろう。
ほんのわずかな濁りもない和音が上から降り注いでくる。
豊かな低音が、内臓に響いてくる。
神様の楽器だと言われたら納得しそうなレベルだ。
オルガニストの後ろ姿も格好良かった。座っている姿がもう、演奏の一部なのだ。

肝心のオーケストラはといえば。
1楽章出だしのテーマ音型こそ、トラップ(実は小節の冒頭が16分休符)に引っかかって弾きにくそうだったけれど、後半に入ってからとても雰囲気が良くなった。
ゆったりとしたアダージョの音楽をちゃんと聴かせてくれる。
2楽章冒頭はひたすら格好良く、途中で低音から高音へ駆け上がるピアノはキラキラしているし、パイプオルガンの響きは先に書いたように完璧だし、色彩豊かで、ああ、オーケストラと音楽が一体になっているなあと感じる良い演奏だった。
きっと指揮者の指導が素晴らしかったのだろうし、オケもよくついていったのだと思う。

アンコールは、ラヴェル「亡き女王のためのパヴァーヌ」。
自分的に最高の選曲。
ところが、非常に残念なことに、時間の都合で、ロビーで聞くことになってしまった。
(なぜそうなったかは、恐らく次の記事で明らかになるかと)
いや、ラヴェルはむしろ弾きたかったですよ、ホントに……_| ̄|○

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無題

  • by えみこ
  • 2017/06/02(Fri)08:56
  • Edit
ありがとう(*^^*)やっと読めた〜

小さい文字で書いてくれてるのわらった(笑)

ここ読んでたら、演奏のこともその他のこともなんかいろいろと思い出して朝からホロリとしてしまった。

わたしも客席で、オケとピアノとオルガンがどんなふうにひとつの響きになっていたのか、聴きたかったなぁ。

で、アンコールはロビーだったのね!
ザンネンじゃ〜(°▽°)

Re:無題

  • by O-bake
  • 2017/06/03 02:07
ブログに久しぶりのお客様が!(゚∀゚)
と思ったら、えみこさんではないですか。
コメントありがとうございます。
そして、当日は大変お疲れ様でした。

オルガン付きはホントに良かったですよ。
もちろん、ホールの響きに助けられた面は大いにあるとしても、一皮むけたなあという感慨がありました。
豊田のホール、客席で聞くオルガンの響きは、ちょっと言葉では言い表せないくらい深かったです。えみこさんも、いつか客席で聞けるチャンスがあると良いですね。

>小さい文字で書いてくれてるのわらった(笑)
これは、若い人にしか読めないようにするための仕掛けです……じゃなくて、思いの強さと文字のサイズは反比例してるのですよ(涙)

アンコールは、パヴァーヌが聞こえてきたとたんに、よほど引き返そうかと思いましたが、後の予定が詰まっていたので、後ろ髪を引かれつつホールを後にしました。
これだけが心残り。

次回のプログラムは、「フィンガルの洞窟」が入っているそうで。私の大好きな曲なので、これもまた楽しみです。

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