びおら弾きの微妙にズレた日々

クエイ兄弟は着々と仕事をしていたのだ

「アジア初の回顧展」として、岡崎美術博物館で開催されたクエイ兄弟展〈ファントム・ミュージアム〉。大学生の頃に「ストリート・オブ・クロコダイル」という不思議な世界にハマった身としては、見に行かずにはいられない。
出かけた当日は、よほど興奮していたのか、時刻を間違えて予定より一時間早い電車に乗ってしまった。まるで遠足で浮かれすぎた小学生w



日本では、それこそ「ストリート~」の作者としてしか知られず、今も活動しているのかどうかさえ謎だった感があるが、実はクエイ兄弟、アニメ制作から抜け出してさまざまな方面、たとえばミュージックビデオやCM作成、舞台美術といった多方面で活躍中だった。

展覧会では、時系列でクエイ兄弟の作品が紹介され、彼らが影響を受けたという東欧のアートの紹介や、カフカ、ヤナーチェクからインスピレーションを受けて制作した作品の展示から始まった。てっきりチェコ出身だとばかり思い込んでいたが、生まれはアメリカのペンシルバニア州だと知り、軽く衝撃を受けた。ただ、大学を出てから彼らは活動拠点をロンドンに移しているので、ヨーロッパ的な空気の方が性に合ったのだろうなと推測はできる。

その次のコーナーが一番の華で、有名なアニメ作品のダイジェストがまとめて見られる映像コーナー、続いてアニメの舞台セットを展示用に作り直した箱庭風の「デコール」が展示されている。
「ストリート・オブ・クロコダイル」も「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」もただ懐かしいだけでなく、今だからわかるあれこれが見て取れるし、デコールともなれば、じっくり舞台装置を見たり、人形の細部まで観察したりできるし、眺めている内に不可思議な世界に引き込まれていく気がする。

その作品群はシュールというか不条理な世界で、まあ意味不明と言えば不明なのだけど、理性からこぼれ落ちた、どろりした感情の固まりをスタイリッシュに可視化すればそうなるだろうなという点で感性的には腑に落ちる世界。モチーフやテーマを見れば中二病ぽさも目につくが(身も蓋もない言い方をすれば「女体恐い」)、グロテスクや悪趣味の一歩手前でとどまる美しさがある。

その次のコーナーでは、ミュージックビデオや舞台美術の仕事が紹介されていたが、残念ながら作品そのものを展示するわけにはいかない代物なので、ほとんどがスチール写真での紹介になっており、少々がっかり。まあ、今の時代、MVやCMは検索すれば出てくるので、その気になればいくつかは見つけることができそうだが、舞台だけは生で経験するべきものなので、写真だけでしか見ることができないのが本当に残念。

現役でバリバリ活動しているクエイ兄弟だが、なんと御年71歳! すごいバイタリティだと思う。

  レストランの庭もなかなかシュールでした…




転職ラプソディ

どうしてこうなった? と、もう何度自分に問いかけたかわからない。
最初の予定では、下っ端の事務職として平日9時-5時のお仕事をしこなしつつ、びおら弾きとしての生活を満喫しているはずだったのに。
ところが、フタを開けてみれば、土日が超忙しい職場でパートさんたちを束ねる役割を任され、やれイベントだ報告書だシフト組みだと、思ってもみなかった事態に遭遇している。