忍者ブログ

びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『ムゲン』二題 (作 くるりんさん)

『夢幻』

こんな夢をみた…、漱石でも黒澤監督でもありません。最近どうも夢見が悪く、駅のホームで駅弁を買ったり立ち食い蕎麦を食べていてディーゼル列車に乗り遅れる、或いは乗り過ごす(=降り遅れる)ような夢ばかり見ます。しかも、車内に荷物を残したまま発車するという…。その荷物が、何だか知らないけれどケースに入った楽器だったりして…。駅に電話をして荷物を取りに行こうとしたら、音楽に関する100問テストに74分で答えられたら(正解が多ければ)荷物を渡してやるとまで言われるのです。

74分って…、オープンリールの次に出てきた当時のカセットは30分刻みだったように思いますが、近年のMDやCDは74分か80分。実は私、「74分」と正確に発音できません。正しくは「74ぷん」なのに、口が勝手に「74ふん」と言ってしまうのです。40ウン年間の大きな間違い、今さら直るのでしょうか?

横道にそれましたが、そもそも何故こんな夢ばかり見るのか? 深層心理でも勉強しなければわかりませんが、原因の1つに「音楽にまつわる小話」という宿題があります。
この間、コンサートを聴きに行く機会が2度ほどありますから、まぁ、演奏中にでも考えるか…という実に不謹慎な(演奏家に失礼な)気持ちでいました。
そしてそれは、あるピアノ協奏曲の演奏中に沸いてきたのです。こんな態度でいいのでしょうか?!



『無限』

それは、2000年の夏だった。彼女と私は大きな花束を抱えて、あるホールへと向かった。ベルリンフィルのチェロ軍団による、「ブラジル風バッハ」が話題になっていた頃でもある。その日は、S幌のチェリストたちが集うコンサートであった。グリーグの「ホルベルク組曲」やヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」も勿論あったが、私たちの心を捕らえて離さなかったのはパッヘルベルの「シャコンヌ ヘ短調」であった。パッヘルベルと言えば「カノン」、「シャコンヌ」と言えばバッハをすぐに思い浮かべるが、その日初めて聴いたその曲の何とも言えない物悲しさに、私たちは泣いた。その曲に恋をした。恋に恋するように。。。

原曲はいったい何なのか? チェロではないだろうし、時代からしてピアノでもないだろう。翌日から、私たちの楽譜探しは始まった。楽器店を廻り、山のような譜面の中から見つけ出したのは、ピアノピースだった。原曲はパイプオルガン、そのピアノ編曲版であった。チェンバロ演奏によるCDも出ているようだが…。そしてその日から、涙ぐましい練習が始まった。少なくとも、私は。
何故なら、5本の指が変形し始めたからだ。猛練習の結果、弾けるようになった時の喜びは喩えようがない。

よく、カラオケでストレス発散などという話を聞くが、自分はたぶんピアノを弾くことで、ピアノに没頭することで、ストレスを発散していた可能性がある。そして、10本の指が変形して全く弾けなくなってしまった今、ピアノの前に座るのは私にとって拷問である。
もう忘れよう、忘れてしまおう。陽の当たるところよりは日陰が、安らぎよりは憂いが好きだったではないか。そうだ、「芸」のためなら女(男)を泣かせてもいいって本当? つい最近ある既婚女性作曲家も、恋をしていないと曲が書けないと言っていた。真実だろうか? それを探るため、これから限の無い旅に出る。。。

PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

コメントです

  • by O-bake@管理人
  • 2007/10/30(Tue)11:47
  • Edit
いきなりタイトルが素敵です。こちらはリリカルな掛け言葉ですね。
『夢幻』
拙宅の企画が夢にまで影響するとは、申し訳ないやら何やらです。でも「74分」に笑いました。それってもはや絶滅危惧種になっている「カセットテープ」の長さじゃないですか。夢うつつのなかでどんなお話を思いついたのかといえば……。
『無限』
パッヘルベルのシャコンヌですか! 恥ずかしながら初耳でした。(詳しくはこちらに→ http://psychodoc.eek.jp/diary/?date=20050715 )
パッヘルベルといえば、カノンが有名で、時代的にはバッハより少し前の人ですね。シャコンヌもカノンに負けず劣らず美しい曲だとか。その曲を実際にお弾きになったのですから、その体験がすでに貴重なものでしょう。

>恋をしていないと曲が書けない
妙に説得力があるのですが。恋の対象は人間の異性でなくてもいいと思うのです。それこそ音楽でも小説でも絵画でも。
もの書きの立場から言わせてもらいますと、せめて書いている間は、自分の作品に恋をしていたいなぁと思うのです。無限の旅に出なくちゃいけないのは同じです。

ところで、くるりんさん以外で、パッヘルベルのシャコンヌをご存知だった方、いらっしゃいますか?

TRACKBACK

Trackback URL:

今月のつぶやき

ネタは切れてからが勝負です

☆CONTACT
→ littleghost703@gmail.com
※@を半角にしてください
☆Twitter→@O_bake
☆読書記録は別ブログO-bakeと読書とひとりごとでつけてます。そちらもよろしく。

ブログ内検索

アクセス解析

過去記事紹介

過去記事紹介・たまに読書ブログへとびます
過去記事紹介・たまに読書ブログへとびます

Copyright ©  -- びおら弾きの微妙にズレた日々(再) --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]