本日、所属オーケストラの定期演奏会。自分は休団中なので、チケットを買って客席から聴く。プログラムは次のとおり。
・モーツァルト 序曲「後宮からの逃走」
・チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
・チャイコフスキー 交響曲第4番
身内の演奏は心臓によくない。上手い下手の問題ではなく、つい感情移入しすぎてしまうのだ。
モーツァルトはうーん、音量はたっぷりあったけど、管楽器のピッチが今ひとつ。近代ものと違って、決して難しい音程ではないと思うのだけど、だからこそ付け焼刃ではなんともならない。日ごろの基本練習がものを言うのでは?
ピアノコンチェルトのソリストは東欧出身でまだ十九歳の若者。経歴を見ると数々のコンクールで優勝しているみたいだ。確かに音色は豊かで、のだめを連想させる。それにパワフル。グランドピアノをガンガン響かせて弾いていた。
出だしが超有名なこの曲だが、実はかなり難曲。リズムがトリッキーで、オーケストラはピアノに合わせるのに難儀していた。
さて、問題の交響曲第4番。金管がファンファーレを吹き鳴らす出だしはとても印象的で有名。しかしその後が恐るべき難しさ。だいたい、拍子が9/8という時点でまともじゃない。
また、CDを聴いている時はあまり気づかなかったが、演奏中の各楽器の動きを観察していると、複雑な仕掛けがあちこちに施されているのがよくわかる。本当にとんでもない曲だと実感する。(出なくてよかった~<こらこら)
ところどころ、ひやっとする場面があったが、出演者から聞くと、実際に空中分解しかけた箇所があったらしい。くわばらくわばら。
その難しさのためか、演奏会後の打上げを待ちわびていたためかはわからないが、4楽章は熱かった。ラッパはタガがはずれかかっているし、打楽器は遠慮なく打ち鳴らすし、弦楽器は見るからに死ぬ気モードできざんでいた。
個人的には3楽章が気に入った。弦楽器はすべてピチカート。チェロは2楽章が終わったとたん、弓を床の上においていた。弦と管が交互にメロディを担当し、最後は掛け合いになるという面白さ。弦は頑張ってダイナミクスをつけていた。それはなかなか効果的だったと思う。
それにしても、身内の演奏は本当に人ごとじゃない。管楽器など、ソロが始まるたびに、「○○さん、がんばれ~」の気持ちになる。演奏がこけると、イが縮む思いをする。弦楽器は誰がどこに座っているかチェック。出演者リストを見ながら、今回のエキストラもチェックする。顔見知りの人が多いほど嬉しい。
曲が曲だけに、一番張り切っていたのは金管
軍群。何度も繰り返されるファンファーレが決まっていた。木管は大変だっただろうなぁ。小難しいメロディの受け渡しが山のようにあった。一人一パートの世界だから、失敗すればすぐにわかってしまう。弦楽器は、「ご苦労様でした!」としか言いようがなく。つまり、難しさの割に見せ場が少ないということで。でも、ピッチが前より揃うようになったと感じたのは気のせいだろうか。
でも、本当に、途中で止まらなくてよかった……。(^^ゞ
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