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びおら弾きの微妙にズレた日々

イケメン指揮者ふたたび

長くハードだった冬が過ぎ、春が近づくにつれ、少しずつ息を吹き返している日々。

しかし、まだまだ雑用が多い上、ダンナ氏がインフルに罹りさらに自分も熱を出して医者に駆けこむなど、楽器に触る時間はほとんど取れず、無理に捻出しようにもまるで乾いた雑巾を絞るようなありさまで、復活しているのは本当に気持ちだけ。

じたばたしているうちに、容赦なく指揮者練習の日はやってくる。全然弾けてないし気持ち的にも体力的にも余裕がないので、よほど練習を休もうかと思い、重い体をひきずって出かけたわけだが、練習から帰ってくると、あら不思議、心身ともに軽やかになっているのだった。もっとも、二日ぐらいたってから肩や首のまわりが筋肉痛に襲われているのだが、まあそれはそれ。
シューマンのライン以来、3年ぶり(だったかな…)にお会いするM先生は、相変わらず爽やかさ満載でしかも切れ味鋭いご指導ぶりだった。さまざまな原因が入り混じって混沌としているオケの音を、数カ所のポイントをいじることですっきり交通整理。そして基本的には課題がクリアできるまで放さない粘り強さもあって、その昔、よそのオケでお世話になったT先生を思い出したのだった。

この日見ていただいたのは、シベリウスの交響曲第一番、主に3楽章と4楽章。3楽章はとにかくリズムがトリッキーで難しい。音ゲーどころの騒ぎじゃないですよ、奥さん。

さて今回の練習でのいちばんの収獲は、先生のフィンランド語り。フィンランドの雄大で寒々とした風景を引き合いに出しつつ、そこの人たちは日本人と似ているところがあって、心に熱い思いを抱えていてもそれを直接に叫ぶことはせず、言いかけてはためらう、みたいな独特の間合いがあるという話。4楽章の冒頭のテーマにしても、開放的な音を出したらNGで、少し鬱屈した響きが正解だという。「2番と違ってまだイタリアには行ってませんから」という解説が個人的にツボ。知っている人ならピンと来るだろうが、交響曲第2番はイタリアへ旅行した際に味わった明るい世界と故郷フィンランドのやや鬱屈した世界の対比が中心になっているからね。でも1番を書いた時のシベリウスはまだフィンランドしか知らないわけで。

5月の爽やかな日中に寒々としたフィンランドの大地を現出させるわけか……。上手くいけば楽しそうだな。
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