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びおら弾きの微妙にズレた日々

ライン川で遭難しそう

”感動”の「復活」コンサートから2日おいて天皇誕生日の日、今度は祝祭管の練習で、できたてほやほやの東海市芸術劇場へ。(非常に綺麗に整えられた施設で、特にトイレは感動モノ)

指揮者来団につき、「ラインの黄金」を全幕通しての練習。前もって難所をさらっておく? 無理無理無理。疲れの抜けない自分の身体を練習場へ運んでゆくのが精一杯。
ビオラの出席者数が大変心配だったが、幸い3プルートそろっていたので、ホッとして一番後ろの席に着く。
第一幕冒頭のアルペジオが始まる。すると不思議なことに、ちゃんとライン川のさざなみが見えてくる。すごいなあ。それに、合間合間に入るマエストロの歌声。これが実に心地よいお声で、ドイツ語の意味はわからないけれど、登場人物の心境は伝わるものがある。おかげで難しい楽譜を弾くつらさが減った。

練習中、ふと思い出したかのように語り出すマエストロの解説が非常に興味深い。ワーグナーの歌劇といえば、ライトモチーフの話は欠かせないのだが、どんな場面でどんなライトモチーフが用いられるかで、物語の本当の内容が見えてくるし、ちょっとした皮肉や遊び心を感じることもできる。ヴォータンの妻フリッカが、現実世界の「主婦」の代表格として扱われている話、愛と美の女神フライヤのテーマが逃げるような感じの旋律なのは「愛は落ち着かない」からだという話、極めつけは「ワーグナーはバッハに似て知的に楽しむ音楽」というお言葉。

これは管理人個人の感想だが、ドイツ生まれの音楽家は知的パズルというか、部品(動機や主題、ライトモチーフなど)をうまく組み合わせて壮大な音楽の建築物を作るのが好きなように思われる。バッハはもちろん、モーツァルトにしても「アダージョとフーガ」なんかを聞くと、これは壮麗な音楽の聖堂以外の何物でもないと感じるし、ブラームスやベートーベンは言うに及ばず。これと対照的なのが、ハンガリーやチェコなど、東欧出身の作曲家たち。どんなにややこしい構成になっても、彼らの音楽の底には必ず歌が流れている。ドボルザークしかり、マーラーしかり。

実はこの日、練習後にマエストロによる「ラインの黄金」解説講座+懇親会があったのだが、この一週間、オケのために家を空けてばかりだったので、さすがに家族の視線が痛くなってきて、後ろ髪を引かれる思いで練習場を後にした。
でも後からFBで披露された写真や楽しそうな記事を見ると、ついつい「ぐぬぬぬぬ……」とうなりたくなる。まったく「練習参加は計画的に」だ。
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