本番の出来事は前の記事で書いたので、ここでは小ネタなどを。
ゲネプロが終了したとき、指揮者の言った言葉がとても印象的だった。
「コンサートはお客さんが駅を降りたとき、駐車場に車を入れたときから始まっていて、チューニングもその一部である。チューニングの始まりや終わりにも最適のタイミングがあって、それをはずすとあるべき流れを取り戻すのに苦労する」
ああそうだった。と目からウロコが3枚ぐらい落ちたようだった。自分がコンサートに行くときのことを思えばよくわかる。ホールに入ったときから、心のどこかで異世界を期待している。その異世界では何もかもが調和して、気持ち良く進んでいくことを望んでいる。演奏がいいのはもちろん、その前のチューニングだってすでに音楽の一部で、それが長すぎず短すぎず、ちょうどいい長さで終わると確かに気持ちがいい。
舞台に上がったらお客さんのことにも気を配らなくてはいけない。そこが練習と一番違うところだ。
そういえば、以前プロの方といっしょに弾いたときにも、聞き手の存在を意識する大切さを強く感じた。演奏会を開く以上、演奏は聴いてもらってなんぼ、伝わってなんぼ、の世界なのだ。
アマチュアだから技術や練習に割ける時間には限界がある。でも自己満足で終わっていたらいつまでたってもいい演奏はできない。下手は下手なりに聞かせる演奏を考えなくてはいけないのだな。
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