演奏会本番が終わった。そりゃもう修羅場でしたよ。
本番中に「今すぐにでも帰りたい」と思った演奏会は初めてだ。
願わくは、お客様も同じ思いを抱いていませんように。
残念ながら消化しきれなかった超豪華プログラムはこちら。
ボロディン だったん人の踊り
プロコフィエフ 交響曲第一番「古典」
ラフマニノフ 交響曲第二番
アンコール ハチャトゥリアン 「仮面舞踏会」よりワルツ
プロコもラフマニノフも恐ろしい難曲で、音符の量の多さ、それにハイポジションと臨時記号の嵐で、練習してもしてもちっとも弾けるようにならない。
もう少し時間が取れればよかったのかもしれない(それでも普段よりは真面目にさらったのよ)が、物理的には、仕事やら家庭の事情とかで(実家で問題が発生したとか町内会の役が回ってきたとか家人の世話とか)で、どこをどう絞っても、これ以上は練習時間が取れませんって日々。
この悪条件を考えればむしろ頑張ったほうなんじゃないかと思わなくもないが、本番中にあちこち事故があったりオチたりしてマジでもう舞台から降りたいと思ったのも確か。
結果から言えば、潔く今回の演奏会はパスして、自分の代わりにきちんと弾けるプロ級のエキストラを紹介した方がよかった気がする。
まあ、エキストラで底上げすることの是非に関しては横においといて、ちゃんと弾けてればラフマニノフ御大の陶酔の世界に浸れそうだったのになぁと思うと悔しい。
石造りの教会を見ているような古典派の曲とは違い、全編これメロディ、みたいなラフマニノフの曲は感情移入しやすいようでありながら、逆に音の洪水に飲み込まれてしまい、わけがわからなくなるが、ミカリン先生に何度か降っていただくうち、自分の中で音の交通整理ができて、なるほど、作曲者はこれが一番言いたかったのか、と輪郭が見えてきたのが演奏会のちょっと前。本番ではちらりとラフマニノフ先生の後ろ姿を捕まえた、ぐらいの手応えだったかな。もっと弾きこむ余裕が欲しかった。まだまだ目の前の音符の処理に必死になりすぎて、まわりのことまで構ってられないよ、という状態から抜けだせなかったのが残念。
「古典」は、右手・左手、ともに思いのままに操れる力と、意思のコントロール力が必須。ちょっとまじめにさらった程度では全然ダメ。とてもお洒落でお茶目な曲なので、つい手を出したくなるが、アマチュアの分際でそれをやるとヤケドするし、実際にした。あちち。
「だったん人」はびおらにとって唯一憩いの場(?)だったけど、何しろ練習量が少ない。自分もあまりさらってない(ちゃんと練習したのはメロディのところだけ)だし、たぶんtuttiもあまり回数をこなしていないはず。他の二曲が大変すぎたからねぇ。これも楽しい曲だけにもったいない。
次回、秋の定演は第九と、大砲の鳴る
騒々しい祝典系の某曲。(まだ正式発表はないので伏せときます)
やれやれ、これで一息つける。
さあ、次はブラームスの弾きこみに取り掛かる。ブラームスオケのコンマスは、うちの団のコンマスとは違う意味で恐ろしい方なので、油断は禁物。
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COMMENT
お疲れ様でした!
第9は都合がつけば行かせて頂きます~。あ、その前にブラームスで一発ぶちかましてやりましょう~。 ではまた…。
Re:お疲れ様でした!
meno mossoはですねぇ、やはり一番肝を冷やしましたね。ミカリン先生に歌わせてしまいましたね。みなさん、落ち着いて!と心の中で叫んでおりました。合わせようと力めば力むほどズレてゆくものなので、肩の力を抜いて指揮者の呼吸に合わせればOKなのですが。止まらずにすんでよかった…。
三楽章の冒頭、ちゃんと届いてました? あそこは滅多にないビオラ活躍の場です。自分的には三楽章さえちゃんと弾ければ良し(他の楽章は諦めモード)と思っていたので嬉しいです。
ラフマニノフはビオラにもちゃんとメロディをあてがってくれるので、ものすごく弾きがいはあるのですが、音域が高い箇所が多くて、4thとか5thポジションが平気で出てきます。日頃使わない音域なので、なかなか楽器が鳴らなくて苦労の度合いも半端無かったです。びおらは3rdバイオリンではありせん、と何度ラフマニノフ先生に訴えたくなったことか。
今日、久しぶりにブラームスをさらいました。決して易しい曲ではありせんが、なんだかとても親しみを感じたのでした……。ラフマやプロコに比べたら、トラップも地雷もなんのその、です。ごうごう弾きますよ!
そ、そしてプロコの5番ですか? 難燃性びおらを手に入れたら考えましょう。(え?)
No Title
ひとりひとりの色々な思いがたった2時間に集約されていて、演奏会ってステキね。
プロコ「難しくてヤダ~!」と思っていたけど、若い鈴木先生が具体的なイメージをお話ししてくれた時から、魅力的に感じられるようになり、自分の中で、音を追う→イメージを共有するにシフトした瞬間でした。
Va技術向上に努めないと、まだまだ蚊帳の外な私。
Re:No Title
>ひとりひとりの色々な思いがたった2時間に集約されていて
演奏のレベルにかかわらず、生の演奏会特有の感動ってありますよね。その理由のひとつが↑だと思うんです。
プロコはもう、奏者いじめ(笑)としか思えない音の配置でしたよね。でも、それには作曲者なりに表現したいモノがあってのことで、「自分の中で、音を追う→イメージを共有するにシフトした瞬間でした。」って、ものすごく大きな気づきだと思います。鈴木先生ブラボー!
蚊帳の外>
とっくに中に入っていますが? ( ̄ー ̄)ニヤリ
次は第九ですが、いっしょに頑張りましょう! やりがいありますよー!
No Title
ちょっと驚きと共に、良かったな~♪と思いました。おすそわけ。
読み込み中・・・
プロコを気に入ってくれたとは、センスのいい中学生さんですね。これをきっかけにして、ピーターとオオカミとか、交響曲5番とかも聞いてくれるといいなぁ。