タイトルでいきなりガートルード・スタインを引いてしまったが、花フェスタ記念公園のバラ園を目にすれば同意してもらえるのではないだろうか。
最近バラ沼にハマりこんだうちのお嬢さんにせがまれ、可児まで車を走らせて遭遇したのが予想を超える質と量のバラたち。
広大な公園の一部に、バラの専用区画が2ヶ所。「世界のバラ園」と「バラのテーマガーデン」どちらもカメラを持ってじっくり見て回ろうと思ったら1時間以上かかる。それだけ数も多ければ、種類も多い。 とくにテーマガーデンは17の区画に分かれ、およそ5000種のバラがあるとか。
実際、バリエーションの多さに圧倒された。
まず色目。真っ黒と真緑以外はなんでもアリ。今は限りなくブルーに近い色のバラもある。また、ピンクと一口に言っても紫に近いものからオレンジに近いものまで、あらゆる階層のピンクの花があるし、しかも花弁のふちだけほんのり色が変わるという二色使いの品種もある。
それから花弁の形。野ばらのように素朴な丸い一重もあれば、幾重にも重なった花びらの先が反り返ったり、剣型になったり。細かく見れば見るほどハマる。
そして香りも重要。素人にはあまりわからないが、6つの系統の香りがあるらしい。実際にイングリッシュローズ系の香りとダマスカスローズ系の香りを比べてみると確かに違いはわかるが、どちらにしても「いい香り」。屋外だと香りの強さはわかりづらいが、たとえば玄関にイングリッシュローズ系のバラが一輪飾ってあれば、玄関中によい香りがただよう。そんじょそこらの芳香剤なんか目じゃありません。

「バラのテーマガーデンの」の一画に、いかにもというレンガの壁に囲まれたイングリッシュガーデンがあり、その中にはロイヤルファミリーゆかりのバラを集めたコーナーがある。一番奥、上座(?)には、人の背丈より大きく育った「クイーン・エリザベス」が鎮座していた。麗しいピンクの花ですよ。(上記写真右側)

どれも「バラ」だと明らかにわかる花、ひとつの種なのに、色も形もこれほどまでに多岐にわたるとは、人類が年月をかけて(といっても主に19世紀以降に)行ってきた品種改良という一種の遺伝子操作にかける情熱は恐ろしいものがある。より美しいもの、より香りのよいもの、より珍しいものを求めて飽くなき改良を続ける人間の業の深さを見る思いだった。

PR
COMMENT