今年はモーツァルト生誕250周年ということで、あちこちでモーツァルトが演奏されている。
自分も、先日モーツァルトの曲を弾く機会があったわけだが、そのときの演奏会のパンフレットの解説を読んで、やっと魅力の理由がわかった。というより、納得できる理由を見つけた、というほうが近いかもしれない。
モーツァルトの曲には、人間のあらゆる感情――喜び、悲しみ、憎しみ、軽蔑、嫉妬などなどがすべて詰まっているという。
そこで、私はああ、そうかと納得した。嬉しい、楽しい、美しい、それだけではなく、負の感情もこめられているんだと。モーツァルトは、それを言葉で語らずに音楽で語り、ちょっと気をつけて聴けば、ちゃんと伝わってくるはず。そして、それは子どもがよくやる「ねえ、ママ、聞いてよ」に近いノリがあって、なんだか「○○ちゃんがすごくバカなことをしたよ。あー面白かった」とか「△△くんに負けてすごくくやしい」なんて訴えを聞いている気分になることもある。すると、音のひとつひとつが愛しくなる。
また、そんな理解ができると、コシ・ファン・トゥッテという歌劇の、ある意味馬鹿馬鹿しくも人間くさい喜劇の面白さがわかる気がするのだ。
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