びおら弾きの微妙にズレた日々

最後の親子共演かもしれない日

娘にピアノを習わせ始めたのが、たしか小1の秋。いや、2年生だったかも。最初は譜面が読めたほうが何かと便利だろう、くらいの気持ちで始めさせた。それが、娘は高校・大学受験もものともせず、あくまで趣味として楽しむためにピアノ教室に通い続け、何度も発表会や教室のイベントに参加し(時に母親を巻き込みつつ)、気づけばこの春から社会人だ。就職と同時に家を出て一人暮らしを始める。本日の発表会で長い長いピアノ教室とのおつきあいも終了。終了はするが、音楽を一生の友としてゆくだけの素地はできたのではないだろうか。

今回の発表会は高校生以上の生徒さん限定の、オトナのための発表会。ホテルの大広間でコース料理をいただきながら順次演奏してゆく。出演者は主に社会人になってからピアノやエレクトーンを始めたり、再開したような人たちで、たまにうちの娘のような、趣味で大学生までピアノ続けちゃいました、という生徒もまじるし、生徒の家族もそれぞれ得意な楽器で参加できるという、全体的にユルい雰囲気の発表会。

今回は最後ということで、母親である管理人もびおらを抱えて参加することに決め、娘と(最後になるかもしれない)共演。以前のように難しい曲(←フォーレ「シシリエンヌ」)は選ばず、シンプルな譜面の「カヴァレリア・ルスティカーナ」(そうです、昨年の7月にテアトロ管の旗揚げ公演で演奏した曲ですよ)を演奏することにした。
ピアノは少々大変そうだが、娘はピアノ歴15年になるので、まあ大丈夫だし、自分としてはすでにオケで弾いていてよく知っている曲なので、少しさらえば、ソロでもどうにか弾ける。おかげで、本番はある程度余裕を持ってこなすことができた。そして余裕があることで、表現やアンサンブルに気持ちを向けることができ、これはこれでとても勉強になったのだった。

参加者のレベルはもう色々で、ガッツリ弾く人、余裕で楽しく弾けちゃう(ように見える)人、しっかり練習してきたのに本番で頭が真っ白になり、手が止まってしまう人、さくっと弾き直しをする人、いろいろアリで、みんなオッケー。

ふだん自分が接する音楽といえば、バリバリのプロが世界レベルの演奏をするようなタイプが多いのだが、実際には音楽をする人といえば裾野は広いわけで、本当に趣味で、老化防止を兼ねて楽しくできればいいという人も大勢いるし、また、そういう人たちが多いほど、音楽の世界は豊かになる。
それだけではなく、やはり音楽に関わることで人間関係が広がったり、ストレスが軽減されたり、多面的なものの見方ができるようになったり、という効用もあるので、老若男女問わず、だれでもその気になれば演奏ができて発表もできるチャンスがある、というのはとても有り難いしことだし、文化を熟成させるという意味でも大事なことなんだろうなと強く感じた次第。