びおら弾きの微妙にズレた日々

オカリナも進化する

先月のことになるが、瀬戸市の文化ホールで開催されたロビーコンサートを聞いてきた。春夏秋冬、それぞれ1回ずつ催される500円のミニコンサート。春は金管四重奏、夏は弦楽四重奏✕2組、秋はサックス&ピアノときて、冬はオカリナ&ギター。毎回、ロビー奥の巨大な陶壁前に舞台が設置されるが、ほどよく響き、音楽に合わせた照明効果がおしゃれ。



今回は、オカリナ奏者・弓場さつき氏と、クラシックギター奏者・加藤優太氏の組み合わせで、クラシックから映画音楽まで演奏してしまうという企画。珍しい楽器の組み合わせなので、前々から大変楽しみにしていた。

プログラムは次の通り。スペインはもとより、南米の音楽も混じっているので、全体的に情熱的。
  • ウム・ア・セロ
  • ニュー・シネマ・パラダイス
  • 彼こそが海賊(映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」より)
  • 春の海
  • グアヒーラ
  • ミシオネラ
  • ティコ・ティコ・ノ・フバー
  • 熊ん蜂の飛行
  • トルコ行進曲(モーツァルトのほう)
  • オリエンタル(「12のスペイン舞曲」より)
  • スペイン舞曲第1番(歌劇「はかなき人生」より)

オカリナの音色が好きだというのもあるが、オカリナというのは基本的には一オクターブ半しか音域がなく、それでどうやってクラシック曲に対応するのか興味津々だったのだ。まさ持ち替え? それとも超絶テクニック? オカリナで「熊ん蜂」だなんて、正直正気の沙汰ではないし、気になる気になる……。

そうして実際、フタを開けてみれば、すごいオカリナが登場したのだった。
トリプレット・オカリナですよ。


(某密林から画像を引っ張ってきました)

吹口が3つあって、それぞれ担当する音域が変わるようになっており、言うなれば吹口をずらすことで、三種類のオカリナを瞬時に持ち替えできる仕組みになっている。これで音域の問題はカバー。ただし、比較的新しいタイプのオカリナなので、演奏できるプロはまだ少ないらしいし、実際かなり難しいのでは? と思う。

しかし、弓場さんは重いはずのオカリナを軽々と吹きこなし、早いパッセージもなんのその、まるでヒバリが天高くさえずるように楽器を鳴らしていた。対するギターの加藤氏は(実はオカリナよりもギターの方が軽い)、繊細で安定感抜群のテクニックで音楽を支えている。どこかへ飛んでゆきそうな小鳥のさえずりを、地上につなぎとめるような的確さでリズムを打ち込む。同じ高校の先輩・後輩同士だとはうかがっていたが、見事に息の合ったコンビだった。

いいなあ、トリプレット・オカリナ。お値段を調べてみたら高級品でも弦楽器に比べたらずいぶんお値打ちで、びおらの次は……ゲホゲホ、いや、なんでもありません。