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びおら弾きの微妙にズレた日々

田園にいる夢

本日は田園の2楽章をスコアリーディング。
スメタナとか違う意味で参った。

12/8拍子で、踊るにはゆっくりすぎるテンポ。なんと主役は中~低弦としか思えないメロディの重ね方。
それらしいメロディ、つまり歌える旋律は、もちろんバイオリンや木管が担当しているけれど、出番は多くない。むしろ、うねうねと続く中~低弦の分散和音の流れに合いの手を入れることが多いのである。
だから、スコアを追っていると、「え? 今主旋律を担当しているのはどこ? バイオリンじゃない、フルートでもクラリネットでもない……。はっ。まさかこの16分音符をうねうね弾いている弦楽器群(ビオラ含む)?」という場面に何度か遭遇する。
ベートーベン御大も恐ろしいことをやってくれるものだ。

その一方で、バイオリンのメロディにちょっかいを出すビオラの使い方がすごくお茶目だったりして、だから御大の曲を弾くのは好きなのさっ。

少々のどかすぎて退屈なこの楽章、ラストにびっくり箱みたいな仕掛けがある。
それまで恐ろしく形式的に進行してきたのが、楽章が終わる約10小節前あたりでいきなり鳥の声が現れるのだ。担当するのはもちろん木管だけど、それが本物っぽく聞こえるのが心憎い。
これが、うたた寝しているであろう聴衆を目覚めさせる仕掛けだとしたら、なんてお茶目なんだろう。目覚めた聴衆は、そこが自然豊かな田園地帯でなく、実は演奏ホールだったということに驚くかもしれない。
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