かれこれ一年近く続けてきたジークフリート練習記も、いよいよ最終回となった。残すは、リハ&ゲネ&本番のみ。
本日もソリストを交えての通し練習。もう本番一週間前だというが、あまり信じたくない。午前=1幕、午後=2幕、夕方=3幕という構成で、10時から19時半までみっちり弾いた。人の声が入るとやはりよい。音楽に息吹が吹き込まれるよう。
恐れを知らず、光の申し子のようなジークフリートが、その光の強さゆえに背負っている弱点、というのも感じられたし、逆に、彼が一度は退けた影がいずれ逆襲を仕掛けてくるという、破滅の前兆も見え隠れして、演奏すればするほど味わい深い。
それにしても、通すだけでも長い。なにしろ、一幕あたり1時間半弱。弾きながら音楽の流れを確認したり、譜めくりのタイミングを確認したり、ボウイングやdivisionの最終確認をしたりと、やること満載。
朝は集中力ゲージが満タンで、カウントもきっちり、あれこれ気を使いながら演奏できていたのだが、昼食後は急速にパワー力ダウン。夕方にはすっかり力尽きてしまい、まともに頭が回らなくなっていたため、朦朧とした意識の中、身体が勝手に動いている状態で演奏。なんだか夢の中で弾いているようだった。まあ、そうなってからが本番だとも思うけど。
手首から肩にかけての筋肉も酷使されすぎて、3幕の火の輪くぐりに到達するころには指が動かなくなっているし、体力的にもなかなか大変。これを演奏しきるには、心身ともに英雄並みの強さが必要とされる。
と、身体がしんどいとばやいていたら、同じパートの友人からよい情報が入ってきた。身体を酷使しすぎて翌日以降しんどい場合は、プロテインが効果的だという。筋トレの後、あるいは自転車競技の選手がトレーニング後に飲むようなアレだ。彼女の体験では、肩こり・疲れに効くというQP○ーワよりいいという話だった。
そんなわけで、へろへろな一日を終わらせたあと、ドラッグストアへ駆け込み、プロテインを買う。これからは疲労回復に栄養ドリンクではなく、プロテインの時代!(違)
しかし、プロテインて、要はタンパク質のことで、タンパク質といえば……
肉!そう、祝祭管の中でもはや合言葉となっている「ワーグナーやったら肉!」だ。
練習日の夜になると関係者のSNSが肉料理の写真で埋め尽くされるという。
ただの冗談かと思っていたが、伊達に合言葉じゃなかったのだね。
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