リハーサルから一夜明けて演奏会当日。
まずはダンナの弁当を作り、子ども達を実家に預け、その足で演奏会会場へ。
毎度のことだが、会場にたどりついた時点ですでにぜーはー言っていたりする。
気持ちが落ち着いたころにゲネプロ(本番前の通し練習)開始。
まずは、前日やりのこしたシンフォニーやアンコールから始まる。
シベリウスは本当に手ごわくて、ゲネプロになってはじめて確実に入れるようになった場所がいくつか。1楽章のあそことか、4楽章のあれとか。(すみません、本人にしかわかってません)3楽章と4楽章のつなぎ目で、転調を繰り返しつつどんどんテンポが上がっていくところは、ぜんっぜんバイオリンについていけなかった。しかも自分だけでなく、ビオラパートほとんど全員が。トレーナーの先生いわく、問題の場所は、だんだんテンポが上がっていくのではなく、最初からいきなり早くなっているせいもあって、フレーズの最初の休符を感じようとしていたら間に合わないので、コンミスの弓を見て合わせるようにとのこと。確かに、それしかないかも。
次にモーツァルトのピアノコンチェルト。ソリストがにこやかに現れ、あっさりと合わせが終わる。途中で、指揮者が、ピアノと1stバイオリンが同時にソロフレーズを弾く箇所を取り出してぴったり合わせようとしたが、ソリストは「そんなに完璧に合わせる必要は無い。それをやるにはもっと時間が必要だ」とのたまう。お互いに歩み寄る雰囲気があればそれでオッケーなのだろう。
それは、相手がアマチュアだからと見くびっているのではなく、ただ本当に合わせる時間が足りないから、という雰囲気で、それが今回のソリストの最大の魅力だなあと感じた。彼にとって大切なのは、演奏中にどれだけ
音楽的に充実した時間が得られるか、のようだった。それはただ単にミスがなければいい、楽譜どおりに弾ければいいという問題ではなく。
コンチェルトのあとは、序曲のコシ・ファン・トゥッテ。
なんだか練習時よりテンポが落ちたなあと思いつつ、できるだけ軽快に弾いてみる。びおら的には、難なく終了。
この曲、実は家で練習している時に、ふっと啓示のようなものが降りてきたのだ。それも本番4日前に。
この曲では、チェロとビオラがテンポキーパーというか、規則正しくリズムを刻む役になっているので、とにかく自分がメトロノームと仲良しにならなくては、と、電子メトロノームをチコチコ鳴らして練習していた。本番が近いので、そのような早めのテンポで。最初は1小節に2個鳴らし(いわゆる二つ振り。1小節に4拍あって、1拍めと3拍目を鳴らす)、それできちんと合うようになったら、1小節に1個、1拍目だけ鳴るようにして弾く。(これは一つ振り)
二つ振りで練習していたときは、ひたすらテンポどおりに、とそれこそ機械のごとく弾いていたのだが、一つ振りにしたとたん、タガが外れたかのように、疾走感がでた。ノリがよくってメリハリもついて、しかもリズムは崩れない感じ。計算上は同じ速さなのに、軽やかさが全然ちがう。ああ、本来こういう曲なんだ、だからこの速さなんだと、すとんと腑に落ちた。
ただ、本番の速さはそれより若干遅くて、ちょっと残念な気がした。
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