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びおら弾きの微妙にズレた日々

ファミコン終わったよ

もちろん、ゲームではなくファミリーコンサートのことです。

「教科書の曲」という切り口がヒットしたらしく、小学生以下入場OKという条件とあいまって、前売りは完売。当日はNフィル始まって以来の入場者数で、ホールが大きかったらもっと入っていたと思われる。
演奏の方も好評で、チケットを配った知り合いからは「いつも演奏会にくると寝てしまうのに、今回は楽しくて最後まで寝ませんでした」というコメントをいくつか頂戴した。子どもたちも最後まで飽きずに聴いてくれたようで、それが一番嬉しい。時にはもういや〜!(?)と泣き出す赤ちゃんもいたりしたけど、まぁ、ファミリーだから。

以下は曲ごとのプチ感想。
♪ワルツィング・キャット(踊る子猫)/アンダーソン
 ほんっとに可愛らしい曲。ネコの鳴き声はバイオリンでそれっぽく表せるのだけど、ラストのイヌの鳴き声は楽器ではムリらしく、奏者が「ワン」とか「バウ」とか叫ぶことになっている。さすが、さまざまなモノを楽器にしてしまうことで有名なアンダーソン。オーケストラ団員の声を使うとは。

♪トルコ行進曲/ベートーベン
 師匠のハイドンに「蒙古大王」とあだ名をつけられただけあって、ベトベン先生が作ると、モーツァルトに比べて力強くトルコ色が強い。装飾音符だらけでかなりめんどくさかったが、その小さな小さな装飾音符が異国っぽさを出しているのね。しっかりタララン♪と弾かなくちゃいけない。おかげでポジション移動のいい練習になりましたとも。

♪トランペット吹きの休日/アンダーソン
 トランペットの人、すごかったなぁ。うちのお坊ちゃまもあそこまで吹けるようになるといいんだけどなぁ。裏打ちをしながらほれぼれと聞き入ってしまった。この曲ではびおらは打楽器に変身していて、楽譜の9割5部が「んちゃ、んちゃ」の裏打ちリズム。簡単だけど簡単じゃないですよ。気づくと裏ではなく正拍を打っていたりするので(滝汗)

♪ピチカート・ポルカ/ヨハン&ヨセフ・シュトラウス
 この曲、涙がでるほど懐かしい。うちの父がウィーンフィルのニューイヤーコンサートが大好きで、その昔は60〜70年代の録音(もちろんレコード)をよく聴いていた。アンダーソンもよく聴いてたから、今回のファミリーコンサートでは大助かり。それはさておき、今弾いてみると、あまりに洒脱な曲で驚いた。短い中で小気味よく変化する曲想、メリハリのついた構成、特にラストの二つの和音が素敵すぎて、最初に弾いたときにはくらくらした。当時のウィーンには洒落者がうようよしていたんだろうな。指揮者はこの曲をゆらすのがよほど楽しかったみたいで、毎回微妙に違うテンポでゆらすものだから、こっちはついてゆくために曲の前半分を暗譜する羽目になった。でも面白かった。

♪威風堂々第一番/エルガー
 これまた↑とは違った意味で涙が出るほど懐かしかった。というのも自分のトップデビューの曲だったから。学生オケにいたとき、入団したての1年生を相手に、こんな曲無茶だと内心でぼやきつつレッスンしたのが懐かしい。あの頃に比べてすこしでもマシに弾けるようになった箇所は……そうだな、トリオの伴奏で弾く、和音のところかな。伴奏とあなどるなかれ。伴奏の音質や弾き方次第でメロディが生きたり没したりするのだから。

♪木星/ホルスト
 これまた超有名な曲。3年ぐらい前だったかな。エレクトーンフェスティバルで、娘といっしょに真ん中のメロディをアレンジした曲を弾いたよ。一度オケ版で全部通してやってみたいとは思っていたけれど、実際にやってみると、トリオよりむしろ前半部分の方が面白いのね。テーマがいろんな楽器の間を渡り歩いてゆく様子が楽しい。最後の半円型10連符には泣かされたけどね。

♪スターウォーズ/ジョン・ウィリアムズ
 冒頭のファンファーレがハンパなくカッコいいことに気づいたのは、練習が始まって何週間後のことだっだろう……。最初はカオスで「なんじゃこりゃ?」だったのが、ふっと金管楽器群の足並みがそろった時、あまりにカッコよく音が重なっているので呆然とした。弦楽器は音符に触れ回されっぱなし。でもそれを補ってあまりあるのが主旋律の多さ。ぴおらが堂々とメロディを弾くチャンスは滅多にないし、それにメインテーマは何度弾いてもアドレナリンが増える。

♪交響曲40番・第一楽章/モーツァルト
 練習中にコンマスが「つま先だって歩く感覚で弾け」とのたまったけれど、これについてはまったく同感。シンプルなだけにものすごい緊張が強いられる。一音たりともおろそかにできないという緊張感。そして立ち止まったらダメ。動きを止めたら曲が死んでしまう。泳ぎ続けないと酸素が取り込めなくて死んでしまうと言う回遊魚みたい。で、動き続けるのはいいんだけど、お隣のパートが刻みになるたびに暴走してバイオリンとかみ合わなくなり、びおらーずはおたおたしてしまうのが常。もちろん、この曲については落ち着くより走るぐらいの方がいいと思うよ。でも加速度がつくのはどうかと。
この曲は弾いているとだんだん胸が苦しくなる。苦しいのにあくまでも美しいのだから、やっぱりモーツァルトは神だ。でなけば悪魔。

♪交響曲第6番「悲愴」より第三楽章/チャイコフスキー
 ずっとずーっと「悲愴」は弾いてみたい曲だった。まさか3楽章のマーチで悲愴デビューするなんて思ってもみなかった。全体としてはきっちり形式化されているのだけど、たまにその枠がやぶれて遊びが見える思える面白いマーチ。三連符の動きがちょっと速くて指が慣れるまでは大変だったけれど、かつて鬼のような超速のシベ2の3楽章を乗り切ったという変な自信があるせいか、あまりビビらなかった。
 残りの1・2・4楽章もいつか弾いてみたい。弾くまではオケやめられないよ。

♪モルダウ/スメタナ
 モルダウも懐かしい〜。中学生の時、音楽の時間に歌った。これはビオラ弾きにとっては萌える曲。延々と続くアルペジオを見たら、誰が弾かずにいられよう。もしモルダウのパート譜を見てまったく心を動かされなかったら、モグリのビオラ弾きに違いない(嘘) しかし、ラスト2ページは壮絶。どんなにさらってもついてゆけないのが悲しい。
そうそう、冒頭のバイオリンのピチカートは、したたり落ちる水を表しているはずだけど、それを実感できたのがホールで行われたリハーサルの時だった。いつもはパート内でズレている上に「ぴち。ぱち」という音色だったのが、「あ。水滴の音に聞こえるかも!」と感じた。ホールの響きは効果絶大だね。

ここから先はアンコール
♪白鳥の湖/チャイコフスキー
 耳になじみのある曲だけど、弾いたのは初めて。びおらは基本伴奏役で、和音を作っていたりするのだが、和音の動きかたが絶妙だし、それにメロディの演出の仕方がものすごく効果的で、やはりおチャイコさんは凄い!とうなった。

♪シンコペーティッド・クロック/アンダーソン
 この曲はもう、ウッドブロックが一番おいしいと思う。あとはほんの2小節登場する、クラリネットの合いの手がお茶目で好き。クラシックのスタイルにこれだけ小道具を入れてお茶目に仕立ててしまうアンダーソン氏は、なんてナイスな才能の持ち主!

おまけ
指揮者コーナー
1年・4年・6年と、かわいい子どもたちが振ってくれた。トルコ行進曲がハエの止まれそうなスピードに落ちたときは、笑いをこらえるのが大変だった。
希望者が殺到して、最後はじゃんけんで体験者を決めたという。ひょっとして知ってる子が登場するかも、と楽しみにしていたのだけど、こっちの小学校の子たちはどうも遠慮深いのか、希望すらしなかったよう゛で、ちょっと寂しい。
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