びおら弾きの微妙にズレた日々

今シーズン初めての歌手合わせ(個人的に)

本番まであと一ヶ月を切り、ジークフリート練習記もいよいよ残り少なくなってきたわけですが、ここに来て、いよいよ今回歌ってくださる方々と一緒に練習。(実際は5月から何度か来団いただいていましたが、その時に限って練習に出られず)大変音楽的な時間になった。
「ラインの黄金」からご一緒しているので、その凄さは重々承知ずみだけども、間近で聞くと、本当にすごい迫力。歌声は究極の楽器ですな。声楽というのは、人の身体全体を共鳴させて楽器と成す技術なのだとつくづく感じた。

その迫力にオーケストラがついていけてるかというと、まだまだ物足りないけれど、歌が入ると音の流れが一気に生まれてきて、それが見える気がした。「流れ」と書いてしまうと、一本の筋に思えるかもしれないが、実際には網の目のように幾筋にも分岐したり合流したりを繰り返していて、とても複雑な流れになっている。もしうまくこれを表現できたら、極上の織物ができるであろうという代物。

そんなわけで、オケだけの練習のときより弾きやすく、全体像がぼんやりとではあるが見えてきたので、とても楽しかった。やっぱり音楽の醍醐味はアンサンブルにあり、と思う。

帰宅後、歌が入っている部分の復習をしようと思って、オペラ対訳プロジェクトのジークフリートのページをゴソゴソ見て回っていたら、今更ながら、YouTubeにとても便利なもの(=音源+対訳)がアップされていることに気づいて見入ってしまった。どの場面で誰が何を語っているのか一目、いや、一聴瞭然。マエストロが以前に言われたとおり、痴話喧嘩のシーンに最上の音楽がついているわ、まじで……。神々の喧嘩は半端ない。
(あと、マエストロの私的見解ではあるけれど、3幕1場で、ヴォータンがその必要もないのにエルダに会いに行った理由が「愛人に優しい言葉をかけてもらいたかったから」ではないかという推察、非常に人間臭くて好き。しかし、それにしては態度が高飛車すぎるぞ、ヴォータン。エルダから塩対応を受けて当然)

実際に舞台でこういったやり取りがどう表現されるのか、演出面でも非常に楽しみになってきた。