《ジークフリート練習記3月分》
今月の祝祭管練習は、17日と18日の2日のみ。ギュッと凝縮された練習。
花粉症かと思ったら風邪だったという、体調不良と戦いながら弾いた二日間。
一日目はトレーナーS先生の棒で3幕を丁寧にみていただく。若干遅めのテンポで、細かい表現までしっかりと。S先生の指揮や指示は毎回わかりやすくて、とても弾きやすいし勉強になる。
二日目の練習会場は結構な僻地にあり、駅から遠いため車による送迎が必要。パート内で調整してみると、車を出せるのが自分しかおらず、しかも送迎希望者が5人! これは……ようやく愛車(Cube)の実力を発揮するときが来たかと、後部のラゲッジスペースをちょっといじって、5人乗り→7人乗り仕様へ変身(ただし、座席間のスペースが狭いので、楽器のスペースを考慮すると実際は6人が限界)。
駅で4人と無事に合流し、車に乗ってもらった。アクセルは重いが、ちゃんと7人乗りを想定しているだけあって、馬力は無問題。なかなか便利な車だ。川沿いの道、田んぼの中を突っ切る道。迷子になりやすい運転手のために、ナビしてくれる人もいて本当にありがたかった。会場についたら、咲きかけの枝垂れ桜に遭遇。春だ。
この日は本番指揮者来団で、前日と同じ3幕を練習。練習の成果があってだいぶ雰囲気が出てきており、先生から「いいね」の言葉をいただいて心の中でガッツポーズ。しかし、これはあくまでスタートなので、その後、弦分奏も交えながら細かい音符まで手抜きなくみていただく。「神は細部に宿る」をしみじみ実感する。細部まできちんと弾くことにプラスして、音楽づくりも同時進行。ちゃんとついていってる祝祭のメンバーはすごいなあと、特に管楽器など他人事のように聴きいってしまう。
本日のお宝ワードは3幕冒頭、ヴォータンとエルダが言い争っている場面の解説。「くだらない会話に素晴らしい音楽がついている」!(ヴォータンとエルダは人間社会で言えば不倫関係にあります。念の為)。ほかにもジークフリートが運命の恋人ブリュンヒルデに会いに行く途中のつぶやきがヘンだとか、ジークフリートがブリュンヒルデに目覚めのキスをする(おとぎ話の定番シーンですな)場面では「死んでもいいや」くらいの勇気を振り絞っているのだとか、言われてみればツッコミどころ満載の3幕。ところが、音楽の力が素晴らしくて、セリフとセリフの間にある心の動きを説明したり描写したりしているので、注意深く音に耳を傾けていればツッコミは解消されるどころか、すっかり感動してしまうのだ。それがオペラとか楽劇の面白さなんだろうな。
お昼はとなりのスーパーで激安弁当を見つけてホクホクしながら買う。びおらチームでぐるりと輪になってお昼ごはん。そのとき、パートリーダーさんが「今日は後ろのみんなの呼吸がよく聞こえる」と。パートソロも一体になって弾けていてとても良かったとお褒めの言葉をいただき、本日の苦労が報われた思い。
そして帰りはさらに1人増え、5人乗せて文字通りぎゅうぎゅう詰めの状態で、のんびりした田舎の道を走る。こんな無茶苦茶なドライブは後にも先にもないと思うけど、学生ぽくてほっこりした。
びおらチームの皆様、おつかれさまでした。
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