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びおら弾きの微妙にズレた日々

宇宙の呼吸

何やら壮大なタイトルでありますが、ブルックナー練習記最終便です。
あとは本番と前日リハを残すのみとなりました。

本番は10/26日、愛知芸術文化センターにて。詳細→




去る10/18,19の二日間にわたって、最後の仕上げとなる練習が行われた。大体形は整ってきたブルックナー8番だけども、直前のこの時期になっていきなりテンポが変わってびっくり。

遅い。ゆっくり、まったりと進行する音楽。
エネルギー不足だからではなく、非常に質量の大きなものを動かそうとしているがための遅さ。
イメージ的には、ミヒャエル・エンデの『モモ』の中でも一番壮大で美しいシーン、モモがマイスター・ホラ(時間の神様)に連れられて、宇宙の時を司る巨大な振り子を見せてもらったシーンそのものだった。

遅くなると、奏者的にはどんな変化が起きるかというと、細かい音符を弾くのがとても楽。と同時に音程の甘さ、リズム感のいい加減さが露呈してしまって焦る。焦るとついつい呼吸が乱れてしまうので、息を合わせる=テンポ感を合わせるように気をつけないと、一人で爆走しかねない。
びおらを始めとする弦楽器は息継ぎがないけれど、管楽器はテンポと呼吸の仕方が直結するので、合わせるのはさぞ大変だと思うのだが、さすが強者揃いで、二日目には新しいテンポに順応してしまい、悠然と音を響かせていた。すごい。

練習二日目の最後は全楽章通しで演奏し、その時の演奏時間は93分。ふつう、ブル8の演奏時間は70~80分台に収まるので、どれほどゆったりした演奏であったか想像はつくと思う。
あとで録音を聞くと、(今は便利な時代になりました。メーリスで録音音源を配布してくださる方がいます)大きなうねりが生まれているのがわかるし、特に3楽章は弾いた本人でさえ寝落ちしてしまうほど美しかった。2楽章もゆっくりだけど、ちゃんとスケルツォらしい諧謔感が出ていていい感じ。
ただし、1楽章や4楽章では、細かい音符と白丸の音符については、各自タイミングが取りにくいのか、時々バラけてしまう。テンポが遅いと、つい油断してカウントを失うことがあるので、これは気をつけなくてはいけない。

マエストロいわく、本番には本番のノリと空気があるというので、必ずしも90分超えのブルックナーになるわけではないと思う。
大事なのは臨機応変に、その時その時のテンポを感じて合わせようとする意識、もうひとつは遅くても早くても自在に脳内メトロノームを調整して、細かいカウントを失わないようにする集中力。

ということで、本番で集中力を発揮するために、今週はたくさん寝ます(そういうオチか……)。
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