愛知祝祭管のカミタソ練習記、今回がほぼラストとなりました。残すは前日リハと本番のみ。いろんな意味でまったく信じられません。
いよいよ大詰めということで、今回は正真正銘の「通し」練習。歌手&合唱団が勢揃いし、演出家はじめ舞台スタッフもお迎えして、よほど崩壊しない限りはとにかく全幕を最後までノンストップで通す予定で始まった。
10時開始で、序幕から開始。ノルンの語り、ジークフリート&ブリュンヒルデのリア充爆発な場面を経てラインの旅へ。引き続いて1幕。ギービヒ家で怪しげな(!)3人の謀議、そこへ飛んで火に入る夏の虫とばかりにジークフリートが登場し、あれよあれよと言う間に罠にはまる。その頃、ブリュンヒルデの元には妹のヴァルトラウテが来て、ヴァルハラを救ってと懇願するも、ジークフリートのことしか眼中にないブリュンヒルデは、妹を素気なく追い返してしまう。…が、ほどなく彼女をさらいに来たのは、薬を飲まされてブリュンヒルデのことを忘れたジークフリートだった! これからどうなる?
「すごい、ちゃんと通ったじゃない」と終わってみればお昼の12時。午後も容赦なく2幕と3幕を通して、終わったのがだいたい4時半。それから気になる部分だけピックアップしての練習。
3幕に入る頃には、余計なことを考える余裕が一切削ぎ落とされて、音の洪水の中、とにかく音楽に振り落とされないようにするので精一杯。火に焼かれライン川で溺れ、無我の境地に。
通してみてよくわかったのだが、やはり練習量が多い場面(3幕の葬送のシーンや自己犠牲のシーンなど)はいきなり通してもそれなりに弾ける。逆に2幕など、合奏に出る機会が少なかった場所は迷子になる危険が高いし、疲れてくると譜面の読解力が極端に落ちる。それでなくとも鬼のようなシンコペーションだらけの2幕は拍の頭が捉えにくいので、マジ恐い。怒れるブリュンヒルデも恐いけど。
さらに、音楽が仕上がるにつれて全体のテンポ感が以前の練習とは違ってくることが多々あるので、機敏に察知して対応しないといけないし、ほんと、とてつもない集中力と持続力が要求される。これを乗り越えればブルックナーもマーラーも怖くない!(でもブラームスやモーツァルトはやっぱり怖い)
ここまで来たら体調管理も大事で、本番がせまってくるこの時期は、集中的に練習をする人が多いせいか、手首や肘に何らかの手当をしている人をちらほら見かけた。自分も左の手首をずっと痛めているので、うまくなだめながらの追い込みになる。若い頃と違って、というか、曲のボリュームがシンフォニーとは桁違いだから、身体にかかる負担も大きい。最後の悪あがきをしつつ、体力温存も大事。
やはりここは「肉!」の力を借りるべきか。どこかの呟きで読んだが、健康のためには鳥とか魚ではなく牛がいいらしい。
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