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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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GWはぎっしりウィーク

10連休ということで、何かと話題になった今年のGW。祝祭管的には、マエストロの来団練習で始まり、来団練習で終わるという大変充実した連休だった(と思う)。
個人的には練習-仕事-仕事-仕事-家族サービス-仕事-仕事-練習-仕事-仕事、という10日間だったので、何より無事故で最後まで走り通すことが最優先事項。あるいはこういう日々を充実というのかもしれない。


さて、前半は4月27&28日。27日は2幕をみっちりとさらい、そして28日は(残念ながら参加できなかったが)ジークフリート初来団&合唱隊参加。
2幕は悪のヒーロー大活躍の巻で、ドラマ的にも音楽的にも大層面白い。

自分的に2幕はこれまでほとんど合わせる機会がなかったので、またとないチャンス。この機会になんとか目鼻をつけなくては、と気合を入れて望んだものの、シンコペーションの波にのまれて遭難しそうになり、ハーケンの「HOIHO!」のC音の刻みで一瞬正気を取り戻しては再び音符の嵐に翻弄される。

2幕の1場はほとんどが難解なシンコペーションで占められており、譜面だけを見ていると非常にツラいのだが、これは月明かりのもと、ハーケンとその父アルベリヒが対話しているシーンで、アルベリヒはすでに亡霊と化しているらしく、非常に幽玄な雰囲気が漂う。シンコペーションは薄暮の世界の不気味さを表現していて、それを知ると俄然やる気が出る(難しいことに変わりはないが)。
2場以降、ハーケンが抜け目なくジークフリートとブリュンヒルデを罠にかけてゆくシーンは、カッコいいというか見事としか言いようがない。何しろハーケンは父の恨みを晴らすことが存在意義であり、ようやくそのチャンスが巡ってきたのだ。一世一代の見せ場なのだ。ダース・ベイダーが魅力的なヴィラン(悪役)であるようにハーケンもまた、いやそれ以上にパワフルでカリスマ性に満ちた存在であるべき。要は、そういう音が出せるように精進しますということで。

限りなく明るく強いヒーロー、ジークフリートの物語も楽しいが、ハーケンのようにダークなアンチヒーローを表現するのもまた面白い。


さて、後半の練習は5月4日&5日で三幕の後半中心。英雄の死からブリュンヒルデの自己犠牲、そして怒涛のラストまで。
ここもまた、音符の細かい難所が多い。オケだけでみっちり練習できる機会はもう限られているので、マエストロはあえてテンポを落とし、丁寧に難所を通す。ほんとに難しくて心が折れそうになるが、細かい音の移り変わりは和音の変化であり、それは音楽全体の色彩を変えるものなので、疎かにできない。うん、それはよくわかっているけど、あれを弾きこなすには指の本数、あるいは小指の長さが少々足りない。そして、難しい箇所ほど各所のテンポ感がバラバラになるという恐ろしさよ……。マエストロの指揮をガン見していても、どうしても聞こえる音に引っ張られて自滅するのよね。これは指の問題とは違う意味での難しさ。

翌5日も歌手をお迎えしての練習だったが、残念なからこの日はみっちりお仕事。泣けるというか、いよいよ仕事を取るかオケを取るかを本気で考えなくてはいけない段階になってきたか。





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