殺し屋と彼を慕う12才の少女の物語。
殺し屋がロリなのではありません。女の子が少々早熟だっただけで。
「私の人生には愛か死よ」という彼女の台詞で、「愛人(ラマン)」の冒頭の一節を思い出してしまった。
もともとこの映画は、ベッソン監督が「フィフス・エレメント」の製作資金を調達する目的で、二日で脚本を書き上げたという映画。それが予想以上にヒットしたおかげで、10代のころからアイデアを温めてきた「フィフス・エレメント」は最高の条件で制作できたという。皮肉なことに、現在では「レオン」の方が有名作品ではないかと思うのだが……。
ストーリーはいたってシンプル。
殺し屋レオンのもとに、アパートの隣の住人が転がり込んでくる。それがマチルダという少女。彼女は麻薬密売組織に家族を全員殺されて、他に行き場がない。レオンは何を言ってもマチルダを追い払えず、逆に丸め込まれる(?)という有様。いっしょに暮らすうち、情が移って、とうとうマチルダの復讐に手を貸すことに……という話。
この映画に命を与えているのは、言うまでもなく俳優の演技と、ベッソン独特の映像センスだと思う。冒頭のカッコよさは格別で、あとは部屋の中を写すだけという、どうってことのないカットや、何気ない仕草の中に、キャラクターの生き様がすごくリアルに見えてくる。
シリアスで切ない物語で見ごたえはあったのだけど、コメディ要素が少ないのが少し物足りなかったかも。
大笑いしたのは、マチルダのものまね大会のシーンだけだったから。この監督の笑いのセンスも好きなのよね。
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