「ラブ・レター」
今回は、すごく質のいいストーリーを楽しませてもらった。
最初のきっかけは、ミナモの読書感想文。彼女は電脳化していないので、紙媒体の本を読まなくてはならず、閑古鳥の鳴く中央図書館まで足しげく通うことになる。(ここの、いかにもやる気のない司書が時代を象徴していてナイスv)
読んだ本の一部が切り抜きされていたり、最後のページが破り取られていたりと、紙ならではのトラブルに遭遇するが、ミナモはそれをむしろ楽しんでいるふしがある。切り抜きはにはもちろん怒るが、それでなくて、紙の手ざわりとかインクのにおいとか、ページの間にはさまったお菓子(?)の食べかすとか、ちょっとしたシミとか、そんなものにこれまでの読み手の存在を感じ取り、温もりを感じている。
ミナモはアナログ的な感覚がものすごく優れている少女だというのが、ここでも強調されてる。彼女の存在自体が電脳化社会へのアンチテーゼなんだろう。
それで、ミナモが偶然手にした「ラブ・レター」という本からいろいろなことがつながって、最後は波留のロマンスへとたどりつく。
詳細を書くと、本編を見た時の面白さがなくなってしまうので、ここは波留のつぶやきをひとつ残しておこう。
「ぼくは、ほんの少し眠っていただけ、なんですがね……」
このひと言でミナモは号泣してしまった。感想コメントを見ると、泣いたのは彼女だけでなく、さらに大勢いるようだ。脚本家の完全勝利だな。勉強になります。
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COMMENT
「RD 潜脳調査室 ♯6」
今回の話はO-bakeさんのお好みに合うだろうなぁと思いましたよ(含笑)。
「電脳じゃない子用の課題」
女子中学生のシュールな会話でした。電脳化て、個人の自由にゆだねられてるんでしょうか。強制されずに選択肢が用意されてるのなら理想的です。ひねくれて見ると「電脳差別」とか現出しそうなんですけど。
>やる気のない司書
彼女、電脳化がかなり進んでるか、ホロンみたいな司書アンドロイドかと思いました。
「紙もインクもいつか消えてなくなるものですし」
このセリフ、皮肉というか逆説的に聞こえました。デジタルデータが一瞬で消えてしまうことを身を持って知っている我々(あ、アタシだけ?)への問題提起かしら。エジプトのパピルスとか、数千年前の文書が遺跡から発掘されたりもしますしね。
「書籍完全電子化反対運動」
こーゆー設定大好き♪そのうち現実に起こりそう。
デジタルの優秀さを認めても、すべてそれに置き換えるって、同時に危険性もはらんでしまうと思います。とにかく100%塗り替えるって何にしても危うい。
>「ぼくは、ほんの少し・・・」
私もそうくるか!とうなり、きゅうぅんvvと切なくなりました。やられた感いっぱいです。(*^^*)
今回本当に、脚本が良くできていますね。情景とか、セリフの一つ一つがしみ入ります。BGMも話に合っていて素敵でした。
Re:「RD 潜脳調査室 ♯6」
>今回の話はO-bakeさんのお好みに合うだろうなぁと思いましたよ(含笑)。
やだなぁ、ツボを見切られてます?
電脳差別>私も気にはなっていたんです。作品世界ではまったくその気配はなかったですが、リアル世界ならそんなわけにはいかないだろうなって。
デジタルデータ>ええ、現時点では明らかに紙より脆いですよね。
数千年前の文書>そうそう、ユダの福音書なんかもそうですね!
>「書籍完全電子化反対運動」
これも面白い設定というか、小ネタでした。RDって細部まで神経が行き届いていて、そこも魅力です♪
海猿>いつかチェックしたいです~!
ありがとうございましたv