今回のタイトルは「スーマラン」。本来はsous marineとつづる。「海の中」というフランス語のひびきが、先日見たグラン・ブルーを思い起こさせて、少し切なかった。
本筋はというと、今はアンティークとしてしか存在しないスーマラン製サングラスを巡り、ミナモが大騒ぎを繰り広げる話……と言ってもいいかな。彼女は、波留に素敵なアクセサリーを贈りたいと、それだけの気持ちだった。
そこに、ミナモ兄や、秘書アンドロイドのホロンや、違法改造アンドロイドが絡んできて、コミカルかつ格闘シーン満載。
プロダクションIGなので、本来格闘シーンはお手の物。攻殻なみの見事なバトルが最後にたっぷり出てきて、おなか一杯、目の保養もできて、まさにザッツエンターテイメント!な話だった。
もちろん、「面白かった」だけでは終わらない。今後の伏線だの、キャラの内面描写だの、深読みできる材料はあちこちに転がっている。
何気に改造アンドロイドの攻撃をかわして逃げ回るミナモちゃん、実は兄より高い身体能力を持っていたりして。
電脳化しておらず、生身の能力がすぐれたミナモと、メタルの中でしか活躍できず、実際の体は老体で車椅子生活の波留。わかりやすいコンビじゃありませんか。この二人に、補完しあうだけではない特別な絆があるのは、これまでのエピソードを見ていれば、感覚でわかる。もちろんその理由も。
ラストシーンで、波留がミナモにスーマランのサングラス(しかも昔自分が使っていたやつ!)をプレゼントするという落ちは、既視感があるにしても、この話のしめくくりにはふさわしいかも。
あくまでもアンドロイドなホロンの台詞は、もうほとんどすべてがツボだった。何かにつけパーフェクトな彼女の外見や思考は、すべて人間が己の都合の良いように作り上げたものにすぎないとを思い知らされ、人の罪深ささえ感じてしまった。
そんな彼女が独自の個性を持つとしたら、どんな形であらわれるのだろう。
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COMMENT
「RD 潜脳調査室」♯5
副題は「悩めるソウタ兄さん」?
あくまで生身にこだわるソウタ兄、好きです。ホロンとの漫才?も楽しいですね。
格闘シーンはもろ、攻殻でしたね。うさんくさい中華街も出てきて満足♪
>ミナモちゃん、実は兄より高い身体能力を持っていたりして。
私もまさにそう思いました!この反射神経の良さは今後の伏線なのでしょうか。
くろがね=アイアン・シュバルツ(なぜ英語とドイツ語ちゃんぽん?!)にデジャヴ(既視感)が。タ●ミネ●タ●だと思うのですが、どこかの古城の階段をシュタタタ走ってても違和感ないです。(^^;)
スポーツとしての格闘技と実戦は違う、というのが良かったです。剣道と真剣勝負の違いもそうですね。「面」は真剣では刃が頭蓋骨ですべるので、袈裟掛けが致命傷を負わせるには効果的だとか。うひー。
O-bakeさんのラストのオチの既視感とは、何でしょうか?「賢者の贈り物」?
シュバルツのオチが私はぞっとしませんでした。秋/葉/原の事件の直後だし、生々しかったです。
Re:「RD 潜脳調査室」♯5
>サングラスかけたハルじいさん、似合ってましたねー!(*^^*)
あはは、似合いすぎてこっちが照れちゃいました。
ソウタとホロンの会話>
これは、バトルのうんちくも含めていろいろと美味しかったです。なかなか味のあるコンビですよね。傍目にはデートに見えても、実は格闘技の理論を語り合っていたり(笑)
>どこかの古城の階段をシュタタタ走ってても違和感ないです。(^^;)
あー、わかりますとも! 黒ですし。はっ。もしかして、シュバルツ→シュワルツネッガー→ターミネーター? 今気がつきました!(>_<)
>O-bakeさんのラストのオチの既視感とは、何でしょうか?「賢者の贈り物」?
それも思い浮かんだのですが、どちらかというと「青い鳥」ですね。捜し求めていたものが案外すぐそこにあったという。それだけに最初から予想はついていたのですが、こうやって使うと、なかなか切れのあるラストでした。
>シュバルツのオチが私はぞっとしませんでした。秋/葉/原の事件の直後だし、生々しかったです。
ああ、たしかに今見ると洒落になりませんね。私は逆に例の事件でシュバルツを思い出しました。明確な原因がわかるだけシュバルツの方がまだ恐くないなと。