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びおら弾きの微妙にズレた日々

「RD 潜脳調査室 ♯12」

光のない朝(image)

 今回のテーマも変わらず深い。身体の障がいについて真正面からぶつかっていた。
 人は技術の力で身体的障害を消すことはできるのか、そしてそれは果たして正しいことなのか。いや、それは個性を否定し差別を助長すると久島は明言する。ああわかってるなあ、この人……と思って好感度は余計にアップ。
 ゲストキャラとして、生まれつき目が見えなかった少女が登場。義体化して視力を得たものの、そのために苦しい思いをしてた。
 結構知られた話だし、作中でホロンが説明していたように、生まれつき視力がない場合、脳の中で視覚を司る部分は発達しない。その代わり、聴覚、触覚、嗅覚などがそれを補うよう発達する。だから、頭の中の世界は視力を持つ人とずい分違う。
 だから、大人になってから手術その他の手段で(RDなら義体化)目が見えるようになっても、脳が視覚情報を処理できなくて、本人は混乱状態に陥ってしまう。ゲストキャラの少女、エイミも同じ。彼女は見えるようになったことで大切なものを失ったと感じ、メタルアーティストとしての創作活動さえできくなくってしまう。

 彼女が失ったもの――それが地球律を解明する手がかりにつながるというあたり、シリーズとして押さえるべきところは押さえているなあと感心する。

 失ったといえば、波留も同じこと。彼は時間という、取り返しのつかないものをなくしている分、よけいに痛い。
「失ったものを取り戻せるかどうか分かりませんから。……どこかでかつての自分に、本当の自分に戻れることを期待しながら、現状を受け入れて生きていくのかもしれません。それもまた─」とつぶやく波留は本当に切なかったが、なんとミナモの返事は、「それではどっちにもなれない気がする」だった。おお、最凶のひと言。もちろん彼女の頭の中にはエイミのことしかなかったから、自分の言葉がどれほど波留の心をえぐったか自覚してない。夜の海辺でミナモの言葉を静かに受け止める波留の姿が心に染みた。
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