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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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「RD 潜脳調査室 ♯11」

完全純正律 (副題:intent)

今回はバイオリンと音楽の話。いっそカテゴリを「音楽の話」にしようかと思ったぐらい(笑) そうそう、主人公は珍しく久島。

純正律というのは、ホロンが例によって百科事典のように説明しているけれど、要するに、和音が一番美しく響くように音を取ろうとすると、絶対的な音の高さが決められなくなるので難しくなるという話。
ごく簡単な例を出すと、ドミソの和音なら、ミを微調整して響きを合わせるし、ミソシの和音ならソを調整する。しかも長和音なら低め、短和音なら高めに取るという原則がある。結果として、ドミソのミと、ミソシのミでは、少し音の高さが違ってくる。ソの音についても同じこと。
バイオリン族の楽器は、弦をチューニングするとき、隣り合う弦が5度の和音でぴったり響くよう、耳で聞いて合わせるし(コントラバスだけは4度で合わせる)、微妙な音程の変化に対応できるので、基本的に純正律。
いっぽう、ピアノは平均律といって、1オクターブの音(ド-ド)を機械的に8つに切り分け、結果としてどの和音も完璧ではないがそこそこ綺麗にひびくようにしたもの。
だから、バイオリンでドミソと弾いたときのミの音と、ピアノでドミソと弾いたときのミの音は微妙に違う。
それならいつでもバイオリンの方が綺麗にひびくのかといったら、それはちょっと違う。ベートーベンがピアノ曲で好んで使った減7度の和音(ド・ミ♭・ソ♭・シ♭)は、平均律でないと美しく響かない。例えば弦楽器を使って純正律で減7度をやったらひどい響きになるらしい。(試したことはないが……)
ということで、音楽トリビア終了♪

以下、ネタばれが激しいので畳んだ先に

久島部長、若かりし頃はバイオリニストを目指していたとは! もっとも、彼が音楽を止めた理由というのが、いかにも~な感じ。
「愛がなかった」からですか。(その時の波留の反応が見もの/笑)
本当に完璧主義者だなあ。
波留に諭され、ほんのいっしゅん泣きそうな顔になるシーンがたまらない。クールな仮面の下に、誰よりも激しい情熱を隠し持っているキャラの典型だ。
まあ、そういう久島だから完全純正律で弾かないと気がすまなかったのだろう。

もし久島が音楽の道を歩んでいたら、メタルは恐らく存在しなかった。彼は幸いにも、本当に情熱を注ぐべき対象を見誤らなかった。そう思うと、後年人気バイオリニストとなる一ノ瀬との出会いは、偶然ではなかったのだろう。彼と出会ったおかげで、久島は自分が音楽に向いていないとはっきり自覚したのだから。

波留じいさんの「ぼくには残された時間が少ない」と言う台詞、切実だった。あの歳になってしまうと、義体化は無理なのかなぁ。

ところで、ミナモちゃんが無謀にもリコーダーでパガニーニを吹いていたが……。あの下手さの演出がすごいリアルで好き。
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ニヒリストを気取る熱血野郎

  • by めりる
  • 2008/08/21(Thu)22:05
  • Edit
数話ぶんたまってるのでどんどん行きますー。

O-bakeさんにピッタリの話でしたね。
トリビアありがとうございます。なんとな~くわかった気分です。
他のアニメで、演奏中に切れた弦の代わりに他の弦をわざとゆるめて音を変えるのを見た(聞いた)のですが、それってマンガだからできるワザなんでしょうか。

久島氏、実は熱い奴だったんですねぇ。私もタマりませんでしたよー!「まいったな・・・」と髪をかき上げるあの仕草と表情!お互いやっぱり同じタイプのキャラを好きになるということですかね♪バイオリンとピアノの違いはありますが。(^m^)

まさか愛について語る久島氏が拝めようとは思いませんでした。彼の場合、真に愛を注ぐ対象を見つけられただけでも幸運だったかもしれませんね。それが人間の女性でなくメタルというところがまたいかにも彼らしいです。

一ノ瀬役の野沢那智さんも良い演技でしたね。美声に聞きほれました。

Re:どこかで見た覚えが…

  • by O-bake
  • 2008/08/22 21:43
どうぞどうぞ、ど-んと来てください♪

この話は、久島視点で見るとものすごい好きです。ツボはめりるさんが語っているとおりですv 009ファンの中でも4スキーが少なくないということは、私たちのみならず、こういうタイプのキャラを好きな人は多いんですよね。

切れた弦の代わり>
おお、それはたぶん、架空の世界ならではの演出ですね。現実的には無理があります。半音程度ならともかく、弦を緩めすぎると張力が足りなくなって音が響かなくなりますし、一瞬で目的の音まで下げるのは神業にも等しいかと。特に古い楽器ほどペグが言うことをききませんから。

野沢那智さん>
一ノ瀬役だったんですか! もちろん、見た時はチェックしていたはずですが、すっかり忘れていました。
というのも、一ノ瀬のキャラ造形がどうしても納得いかなくて、見終わったあとずっともやもやしていて、声優さんのことを記憶の片隅に追いやっていたようで。(^_^;)
何十年もプロとして人気バイオリニストでいられる人間が、いつまでもかつての先輩を超えられないと悩むだろうかと疑問だったんです。そんなにナイーブだったら、とっくに潰れてますって……と思ったのでした。なので、一ノ瀬のキャラにもう少し図太さというか、したたかさが欲しかったんですよ。

トリビアは……読み流してもらえればいいですから。
書けば書くほど説明がややこしくなってゆくなぁと感じてはいたんです<純正律

結局一番印象に残ったのは、リコーダーで鳴らす超低速のパガニーニの主題でした。(^^ゞ
そうそう、この主題は11話以降、さりげなくBGMとして登場しますよ。

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