忍者ブログ

びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「RD 潜脳調査室 ♯7」

「手と手で」(副題:I am a dog)

今回は犬ですよ、犬。とうとう来たかと……(苦笑)

先回の感想で、押井監督はRDにあまり関わっていないのじゃないかと書いたが、撤回したほうがいいかもしれない。直接手は出してないとしても、確実に影を落としている。
具体的には、依頼人として登場する愛犬家の名前が「イシオ」氏。

本筋には関係ないが、ミナモちゃんとペアを組むなら、波留さんの車椅子にはしっかりとしたシートベルトが必要だと思う。

残念ながら、管理人は哺乳類のペットが苦手なので、愛犬家に感情移入しきれなかったが、設定云々を突き詰めてゆくと非常に興味深い回だったのでは、と思う。

犬にもICチップ(だったかな?)の埋め込みが義務付けられ、その結果、飼い主と意思疎通が出来るようになり、同時に犬の意識の集合体、犬メタルが存在するという設定に目からウロコが落ちた。

それに犬語の設定! 人間みたいに語彙が広くないので、たとえ、意識が人であっても犬のボディに入ってしまうと、「欲しいもの」→「ごはん」と変換されてしまうあたり、細かいなぁと感心した。
逆に、犬のボディに人の意識が入ってしまうと、犬本来の行動ができなくなるのも面白かった。体にたまった熱をうまく放出できなくて倒れてしまうシーンとか、ミナモに言われてはじめて鼻をきかせるシーンとか、やっぱり細かい。
プロダクションIGのお家芸は、格闘シーンだけでなく、「犬」もそうだったかとあらためて思い出した。

話を戻して、犬を愛して止まない人間なら、犬メタルは禁断の花園に違いない。一度そこに足を踏み入れれば、犬と対等になりたい、あるいは同一化したいという欲が生まれるのも理解はできる。しかし、それは犬にとってはた迷惑な話かもしれない。犬が必要なのは「ご主人様」であって、自分が二人(二匹?)もいらないと思っているかもしれない。

ここまで来て、はっと気がついた。
イノセンスの最後、「人形だって人間になりたいとは思わなかった」という意味の台詞があったが、人形を犬と読み替えれば非常にわかりやすくなる。ただ、人形と違うのは、犬は犬なりの自我があって、それは手と手を触れ合うというごく原始的なコミュニケーションの方法で伝わるものだということ。やっぱり、このアニメは電脳ワールドにアンチテーゼを与える方向で話が進んでるようだ。

ん? ちょっと待てよ。<人形と犬の話
RDには、まさに「人形」としてアンドロイドのホロンがいる。彼女は「ご主人様」である波留には絶対服従で、彼のために働くことが、当面の自分の存在意義と認めている。なんだか犬とものすごく似ている気がするのだが、彼女に自我があるとしたら、どんな形なのだろう。また、「人間になりたいか?」と彼女に尋ねたら、どんな答えが返ってくるのだろう。彼女と手を触れ合わせたら、何が伝わってくるのだろう。

あ。どつぼにはまった。(>_<)
PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

「RD 潜脳調査室 ♯7」

  • by めりる
  • 2008/07/03(Thu)22:53
  • Edit
私も「犬かよ~」と苦笑いしつつ見ました。(^ー^;)
「イシオ」は耳で聞いて「変な名前~」以上には気付かず・・・不覚でした!垂れ耳のあの犬種は確かに・・・なるほど!

ハルじいさん、陸上の車椅子レースにも出れそうですね。目指せ北京パラ?!

私も犬猫は所詮畜生、と考えて生きている人間なので、突き放して見たのですが、そのおかげで色々考察できた気がします。一昔「バ/ウ/リ/ン/ガ/ル」なる商品が流行ったのを思い出しました。これのメタルバージョンというわけですね、現実味があります。

>犬と対等になりたい、あるいは同一化したい
犬好きの人の心理はきっとそうなのでしょうね。でもあえて言わせてもらえば、それは人間の側のエゴだと思います。犬の方もそれを望んでいるかどうかは現代の科学ではまだ謎の域を出ませんもの。

>人形と犬の話
わぁー、私もドツボにハマりそうですvv
やはり自我(identity)が鍵になりそうですね。このテーマについてはぜひ、この夏の押井守チャットにて語り合いましょう?!

ところで、まとめコメントですが。
私の回りではそのものズバリ、「バリヤー!」と叫んでやはり人差し指に中指をからめていました。ウチ、新興住宅地だったのでハイカラだったのかも。検索したら方言としてはあるらしいですが私はそっちは使ったことありません。

公募ミッション、頑張ってくださいね~! \(^o^)/~~~~

Re:「RD 潜脳調査室 ♯7」

  • by O-bake
  • 2008/07/03 23:46
>私も「犬かよ~」と苦笑いしつつ見ました。(^ー^;)
そうなんです、犬です。犬種は言わずもがな(爆)

車椅子で風を切る波留さん、なんだか楽しそうでしたよ。ミナモちゃんがいれば恐いもの無し?(笑)

>それは人間の側のエゴだと思います。
この作品もそういう視点で作られていますよね。同一化=愛情ではないと。だからこそイノセンスの人形の話を思い出したわけです。

>この夏の押井守チャットにて語り合いましょう?!
はい~、それはもちろん楽しみにしてますv 一人で考えていると暴走しちゃって、誰か止めて~な状態になるもので。

えんがちょ>
こちらにも反応ありがとうございます♪ そうですか、「バリヤー!」でしたか。セリフは地域によってさまざまですが、そういう風習が(恐らく)日本全国にあったという事実が興味深いんですよ。そういう論文ってないのかな。

>公募ミッション、頑張ってくださいね~! \(^o^)/~~~~
わーい、応援ありがとうございます。6末締切のは一応クリアしたので、次、7月31日を目指して頑張ります。

TRACKBACK

Trackback URL:

今月のつぶやき

ネタは切れてからが勝負です

☆CONTACT
→ littleghost703@gmail.com
※@を半角にしてください
☆Twitter→@O_bake
☆読書記録は別ブログO-bakeと読書とひとりごとでつけてます。そちらもよろしく。

ブログ内検索

アクセス解析

過去記事紹介

過去記事紹介・たまに読書ブログへとびます
過去記事紹介・たまに読書ブログへとびます

Copyright ©  -- びおら弾きの微妙にズレた日々(再) --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]