いやあ、待ちましたよ。おかげで待っていることを忘れるほどでした。ついに地獄の歌がひびきましたねえ。
表紙のデザインが素敵。7巻のも良かったけど、既刊分の中ではこれが一番好きかも。
やっと、主役のお出ましとなった。アーカードが本気を出して戦うシーンが圧巻。しかし、1人勝ちではまったく面白くない。彼と対等に戦えるライバルがいてこそ、盛り上がる。というわけでアンデルセンもまた本気モードで登場する。最高の対決だ。
アンデルセンのついで、と言ってはなんだが、彼の教え子(!)マクスウェルとの絡みがちらりと出てきて、結構来るものがあった。そうか、マックス(勝手に愛称呼び/汗)は孤児院出だったのか。
アンデルセンは、一見教え子を見捨てたように見えるが、取るべき道を誤った彼の魂を救うにはああするのが一番だっのだろう。それでこそイスカリオテ、13課だ。ユダの所業そのままに。
で、それに対抗するかのように、アーカードの過去もちらりちらりと出てくる。いや、今回はちらり、なんてものではなく。これまでのことを思えば大盤振る舞いだ。少なくとも彼の出自や吸血鬼になった経緯はわかるし、ま、設定だけ取り出せば、意外とありふれた話になってしまうのだが、それがあの凄まじい死体の山の中で明かされると、うへー、参りました、となる。それに、絵に語らせているところがいい。言葉はあくまでも、絵の添え物だというところが。
結局、アーカードとアンデルセンは「狂信者」というコインの表と裏なのだろう。
そうそう、「吸血鬼がある人間の血を吸いつくすと、その人間の魂も取り込むことになる」という設定は、ダレン・シャンと共通しているのだけど、それは吸血鬼伝説の常識なのかな。
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