21-11「黒い医者の宿命」
キリコが~! 今回は黒い天使vs白い死神ぢゃなくて、二人とも黒いです。
今回はキリコの情報大暴露大会。おいしいシーン満載。
キリコってカナダの人だったんですか?
妹がいたんですか!
医者の息子だったんですか!
ということは、あの白い髪は銀髪ですな。そして妹の顔つきがそっくりで彼女は顎ほっそりタイプの美人。ということは、キリコも元来美形?
もともとは優しい兄だったのに、戦争に行って以来性格が変わったという。人の死を多く見すぎたということだろうか。むしろ、生き残って無残な生を生きる姿を見すぎたのか。
いずれにしろ、弱さと表裏一体な彼の優しさがあだとなって、白い死神に変身したと思われる。
「死を受け容れることによって命の尊厳を大切にする」という彼の主張は、一見もっともだが、何が何でも命を救おうとするBJの前では、それが体の良い負け犬の屁理屈に聞こえてしまう。
また逆に、先日放映された「65年後の目覚め」のように、明らかに安楽死が本人のためになったというケースもある。
黒い天使と白い死神の対立はたぶん、人類永遠のテーマなんじゃないかとさえ思う。
血のつながった父親でさえ、不治の病と知るや、安楽死させようとするキリコ。それは優しさに見えて、苦しむ父の姿を見たくないという彼自身のエゴが混じってはいないか。
また、どんな手段を使ってでもキリコの父親を生きさせようとするBJ。これも人助けに見えて、彼自身キリコの父親から情報が取りたいというエゴが混じる。
結局、「人事を尽くして天命を待つ」しかないのだろう。
そうやって考えると、レンジャーであるキリコの妹が、森の中で弱っている動物に対してとった態度が非常に意味深に思える。
病気か何かで動けなくなったシカをピノコが発見して、治してももらおうと提案する。するとユリ(キリコ妹)は、触るなというのだ。自然に治るのなら放っておけば大丈夫だからと。これは裏から読めば、自然に治らなければ、死ぬにまかせるしかないということで、ある意味キリコの考え方と通じるものがある。
この兄弟の生死観は、きっとカナダの大自然が育てたんだな。
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COMMENT
追加情報
原作では、キリコの出身国は特定されていないようです。妹のユリがレンジャーであるという設定もなく、父も医者ではないらしいです。ふむふむ。
また、キリコが従軍経験を持つことは確かですが、それがどの戦争だともはっきりしないようで。
原作当時なら、太平洋戦争でもベトナム戦争でもアリだろうと思います。現代ならば?? やはり、米軍あたりに加わってどこぞの内戦に行って……ということになるのでしょうか。
また、「キリコ」という名前について、これは通称だろうとは思っていました。ですから、アニメの中で父が「キリコ……」と呼びかけたときにはいささか驚きましたとも。
私的には、キリコといえば、20世紀が生んだ最も謎めいた画家とされる、ジョルジョ・デ・キリコなのでした。