びおら弾きの微妙にズレた日々

まやかしの世界を遊ぶ

先日、東京で暮らしているうちのお嬢さんに会いに行った。お盆でも正月でもない半端な時期だが、個人的に盆と正月が一緒に来たようなイベントがあったからだ(このイベントについては他の場所で書いているので、詳細は割愛)。

せっかく高い交通費を出して東京へ行くのだから、少し欲を出して物見遊山できるところはないかと探したところ、ちょうどよい場所にチームラボ・ボーダレスを展示しているデジタルアートミュージアムがあったので、娘を誘って見に行くことにした。

前売り券を買ってあったので、楽に入場できるかと思いきや、入場待ちの行列の長いこと! ついつい、かつての万博会場を思い出してしまった(どうでもいい話だが並ぶ力はあの時身につけた)。

40分近く待ってようやく中に入る。四方八方を映像に覆われた空間が現れ、たちまち幻視の世界へ。映像はいっときたりとも止まらず、常に変化し続けるし、鏡を利用した空間は限りなく続くように見える。そしてゆったりとした電子音楽。なんというか、四面楚花で軽く目眩を感じた。
会場内に順路はなく、鑑賞者は足の向くまま大小様々な部屋をめぐる。迷路をたどっているようでもあり、前に見た部屋に入ることもあるが、時間がたつと投影される内容が変わっていたりして、果のない映像空間を彷徨っているような気持ちになる。中には人が触れることで変化したり、アプリ経由で光の操作ができるアートもあって面白い。

  


写真を撮りながらさんざん歩き回っているうちに、「運動の森・出口」へと続く階段を発見。つぎのフロアへGO! ということで進むと、途中になぜか貸靴コーナーが。ヒールやサンダルでは歩きづらいようだ。これはアレか、養老天命反転地のデジタルアート版か? と娘と顔を見合わせる。
果たして、そこは丘があり人工の森があり、滑り台あり、アスレチック(?)ありの冒険広場だった。もちろん、場内には花やクジラやトカゲの映像が幻想的に動き回る。お子様たちが遊ぶにはぴったりだし(うちのお嬢さんは明らかに顔が輝いていた)、コンセプト的にはあえて五感を狂わせ新たな感覚を得るという意味で、天命反転地と通じるものを感じた。要は刺激的。
 
だがしかし。
帰宅する道中で目にした広い星空と黒々とした山かげ。静かな夜道で窓の明かりに人の営みを読み取り、天空から降ってくる音にならない音楽に耳を澄ませるひと時のほうが、よほど豊かに五感を刺激してくれるのだ。