休みの日を利用して、半田市にある新美南吉記念館へ行ってきた。なんといっても今年は生誕100周年祭。
最寄り駅は名鉄河和線の半田口駅だけども、無人駅で普通列車しか止まらないし、歩いて15分くらいかかるのでちょっと不便なので、名鉄知多半田駅で降り、駅前の観光協会で自転車をレンタルして寄り道しながら行くことになった。(写真は酒の文化館)
まずはミツカン酢本社の近くにある「魚太郎」という和食バイキングのお店でランチ。各種お魚満載の日替わりランチ+コーヒー&お酢ドリンク飲み放題+お惣菜バイキングで1500円。休日の贅沢ランチとしてはよい値段。
静かな運河のほとりを回って、次に向かったのが「國盛」で有名な中埜酒造の「酒の文化館」。ここは要予約で、ガイド付き見学ができるのだが、昼の12時から1時まではガイド無しの自由見学ができたので、ささっと入って酒造りの歴史を見学。何に驚いたかって、酒造用タライや木桶の大きさ。ヘタすればお風呂どころかダイビングの練習ができるんじゃないかという大きさで、これを作る桶職人の技術にもこっそり感嘆。
お土産コーナーでは試飲ができたけれども、この時はアルコールなしの甘酒だった。よく冷やしてあって美味しい。夏バテ防止になると以前に聞いたことがあったので、これからのために1本購入。凍らせても美味しいらしい。
次は2キロ先の新美南吉記念館へ。地図を頼りに、古い町並みを横目で見つつ、市内を走る。暑い。
実はこの日、朝まで雨が降っていて、もしかすると自転車に乗れないんじゃないかという天気で、折りたたみ傘を持参したほど。ところが知多半田に到着した頃から薄日が差し始め、ランチ後には日よけ傘がいる勢い。日除け対策などしておらず、大汗をかきながら自転車をこいだ。
そしてたどり着いた新美南吉記念館。ごんぎつねの舞台となった中山と矢勝川の間にある。
(↑入り口へ向かうスローブ)
よくあるような四角い箱の建物ではない。半地下式で、地面に出ている部分はまるで丘の一部。館長さんからお伺いした話では、記念館を作るにあたり、コンぺで全国からアイデアを募集し、それで優勝したのが、中山の景観を壊さない地下式の建物だった。半田市は建設費のあまりの高さに辟易しながら、それでも当時はバブルが弾ける前だったので、お金を出してくれたという。いやはや、当時がバブルでよかった。
しかし、開発の波は容赦なく、今では記念館と中山は道路に囲まれ、こともあろうに中山のすぐ裏手には某チェーン系スーパーがそびえている。便利ではあるが景観的にはかなりショボーンとなってしまった。まあ、キツネ的には毎日揚げ物をくすねることができるから、食べ物には事欠かないかもしれないが。
中はもう、南吉に関する資料満載で、日記の一部や、小学校の頃の作文や成績表(「甲」ばかり!)まで見ることができる。手紙や恋文も遠慮なく晒してある。資料的価値はさておき、こんなプライベートなものまで見てしまっていいのかしらとドキドキするくらいだった。その一方で、物語を書くことに関する情熱や覚悟も痛いほど伝わってきて、これだけは何十年隔たろうが、今の私達と同じなのだと勇気づけられる思いだった。
そしておみやげとして買ってきたのが童話集でもアニメ化された作品のDVDでもなく「ごんのかわら版4コマ」という4コマ漫画……_| ̄|○
いやもちろん、ちゃんとした資料として、半田市教育委員会編の「新美南吉代表作集」も入手してきましたから。
記念館でがっつり時間をとり、時計を見るともう午後の2時半。電車を乗り継ぎ2時間かけて帰ってきましたとさ。腕は日焼けで真っ赤っ赤。
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