お盆週間をすぎ、職場が少し落ち着く時期なので、週明けに連休をとった。先週もお出かけしたばかりだが、まあ、夏休みがわりで本日もドライブ。行き先は蒲郡・幡豆方面。
蒲郡はもとから観光地として有名だが、港から少し北へ上ったところに形原温泉というのがある。その中に「山麓苑」というジンギスカン専門のお店があり、そこでお昼を食べようということになった。形原温泉はあじさいの里としても有名のようだが、何しろ今はオフシーズン。人影がないばかりか、温泉街そのものが古く、閉めている店が目に付き、廃墟と見紛う建物も散見される。
いやな予感をいだきつつ、山麓苑の入り口駐車場に車を止め、山道をトコトコ歩いてのぼると、やけに洒落た一軒家の横を通り、さらに登った先に古色蒼然とした店構えが見えた。「受付で注文をしてください」とあるので、山猫軒に足を踏み入れるような気持ちで中に入ったら、なんと大変感じの良い女将が出てきてさくさくと注文をとってくれた。「では火をおこしますからお客様は左手奥へどうぞ」なんて言われて奥を見ると山道……。女将は手際よく七輪に炭を入れてバーナーで着火し、先に立って案内してくれる。
案内された先は樽ハウスですよ。清酒づくりに使う巨大樽の古くなったものを譲り受けて設置したのだとか。周りを見渡すと、同じような樽ハウスやコテッジ風の小さな建屋が山中に散在している。中には植物の勢いに負けて屋根が抜けているのもあるのだが、一言で言えば壮観。樽ハウスから海側を見下ろすとこれがまたよい景色が広がっている。
大自然の中に用意された個室でゆるい扇風機にあたりながらジンギスカン鍋！ 入り口も窓も開放されているので換気的には無問題。ただし暑い。暑いけど美味しいんだなこれが。豚肉と羊肉をそれぞれ１人前ずつ注文したのだが、どちらも上等な肉でとくに羊は独特の臭いがなくほどよい脂の量で旨味充分。野菜もたっぷり添えられており、夏バテ解消にはちょうどよい。
今でこそ山奥でひっそりと営業しているように見えるが、その昔（４０年くらい前）はＴＶコマーシャルを流しており、有名だったそうな。「剣の舞」をＢＧＭにしたCMと聞いてそういえば！と思い出した。自分の中では「はとやの大漁苑」と同じカテゴリーだ。
大自然の風を感じつつ、時に様子見に入ってくるアブを追い出しつつ、ある程度プライベートが確保された樽ハウスで、世間のウイルス騒こぎのことはすっかり忘れて食事を楽しんだ。こういう作りなので、ワンコも同席しようと思えば可能らしい。
その後、三河湾スカイラインを通って幡豆へ抜けた。実はその先に本日のドライブの本命（家人にとっての本命です）、「蒋介石神社」（※）があったのだが、自分的ハイライトはやはりジンギスカン鍋。
※「蒋介石神社」の本来の名称は「中正神社」といい、祭神が蒋介石となっている。それ以上のことは不明。幸田町にあり、貴嶺宮（神社庁に所属しない独立系の神社だそうです)の向かいにある。PR
