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びおら弾きの微妙にズレた日々

お犬さまと世界の見え方

久しぶりに犬ネタです。

お犬さまが我が家に来てからもうじき2年。永遠の三歳児のような振る舞いをする老犬は、結局、家族の中に溶け込み、あたかも10年前からこの家にいるかのような態度で暮らしている。

もういい年なので、一日のほとんどを寝て過ごすが、食事時は別。誰かがキッチンに立つと、むくりと寝床から起き上がり、そそくさと寄ってくる。そして冷蔵庫の前に陣取り、賢者のような眼差しで料理の手際をじっと観察し始めるのだ。時には人の足元にまとまりつき、うっかり蹴りを食らうことも。
毎度毎度「邪魔」「危ないからどきなさい」と言われているが、犬耳東風、まるで反省がない。猿以下かもしれない。

料理と食事が終わり(犬も同じ時間に食事をとる)、食器を洗っていると、今度はレンジの下の床を、未練たっぷりにフンフン嗅ぎまわっている。人間の鼻ではわからないが、炒めものの際に飛び散った油や調味料の匂いがたっぷり残っているらしい。
そういえば、散歩の時も道端の草の匂い、他の犬がマーキングした跡を丁寧に嗅ぎまわっている。その空気感は人間で例えると、毎朝、新聞を律儀にチェックするおじいさんのよう。
また、洗面所でこれから洗う家族の衣類の仕分けをしていると、犬はコソコソとやってきて、女子高生のシャツを必ずフンフンする。
犬に比べると随分貧相な嗅覚しか持たない人間には、彼らが匂いとどう接しているのか想像もつかない。

それで思い出したのが、メンフクロウの話。以前「フクロウからのプロポーズ」という動物もののノンフィクションを読んだ時、「メンフクロウは聴覚が大変鋭く、脳内には音の地図が形成されている」という内容の記述があった。人間は視覚が発達しているので、地図といえばある種の「絵」なのであるが、メンフクロウの場合は、どこでどんな音がするかという情報をもとに、空間内に音の地図を描くらしい。

犬だとどうなんだろう。嗅覚のみならず聴覚も人間より鋭い彼らであるが、我が家の犬の様子を見る限りでは、においが生活の中で大きな役目を果たしているようだし、散歩のたびに脳内の「におい地図」を更新しているのかもしれない。
そして、人が料理を始めると、次から次へと色んなにおいが漂ったり変化したりするので、犬にしてみればあたかもキッチンが色とりどりの空間になったり、あるいはシンフォニーが流れているように感じられるのかもしれない。

ま、本当のところは犬に聞いてみないとわからないんだけど。

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