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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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上海雑感

旅行記の前に、上海を訪れた時の印象をざくっと書いてみよう。
べ、べつにこれで雑感でお茶を濁すつもりではなくて、あくまでも前菜ね。




なにもかもスケールが大きい。これにつきる。
ビルはひたすら高さを、ショッピングモールはとにかく広さを競い合っていた。ダンナ氏によれば、中国は社会的インフラはしっかり整っているのだという。その分税金は日本の比じゃないとか。おかげで公園の敷地も広い。地下鉄は路線が10以上あり、平日の昼間でも三分に1本は走っている。ただし乗り換えはたくさん歩かされるし、改札に入る前には、一応荷物検査がある。(なぜ「一応」かというと、ラッシュアワー時はとてもじゃないけど検査しているヒマはないのでノーチェックなのだ)

かと思えば、路地裏は狭くて汚いし、壊れそうな自転車やスクーターで街を走り回る人々も大勢いる。何人かの物乞いにも遭遇したし、繁華街で物売りをするティーンエイジャーも見かけた。やっぱり都会だからね。

もちろん人はあふれている。大通りを行き交う車、街なかを歩く人びとが多いのはもちろん、交通整理をする人、公的あるいは私的な敷地を警備する人、あるいは清掃員がよく目に付く。バスには車掌がいる。日本では機械化されてしまった作業が上海ではマンパワーでなされている。レストランやファーストフード店の店員はややあまり気味のせいか、仕事に追われてカリカリしている空気はなく、細かい気配りをしてくれる。

そしてものすごく賑やか。新しくビルを建てる工事の音、ひっきりなしに鳴るクラクションの音(前方に障害物があれば遠慮なくクラクションを鳴らすのがあちらの流儀。しかし日本で聞くクラクションのようなトゲトゲしさはない)、人の声、鳥の声。うるさいけど不快ではない。慣れてしまうと、今の日本は静かすぎるんじゃないかと思うほど。静かな分、空気を必死に読まなくちゃいけなくて、むしろそれの作業がしんどい。

上海は昔からいろんな人種が出入りする場所だし、商業都市であるためか、街の人たちは合理的でせっかち。例えば、地下鉄のドアはお客の乗降量にかかわりなく、切れ目ができるとすぐに閉まるので、自分もダンナ氏も一度は挟まれた。でも細かいことは気にしなくておおらか。地下鉄やバスの車内でも遠慮なく大声でケイタイでしゃべるが、それを迷惑そうに見ている人もいない。たまにイヌを放し飼いで散歩させてる人がいるけど、犬達は通行人にちょっかいを出すわけでもなく、用をたすとお行儀よく飼い主のもとへ戻ってゆく。日本人観光客が歩いていても、「いいカモが来た」ぐらいにしか思われておらず、あからさまな悪意を見せられることはなかったので、気楽に街歩きができた。

そして治安は良い。夜でも普通に出歩けるレベル。

でも、これが中国全体に通用するイメージかというと、そうでもない。上海の人たちはプライドが高くて、文化・知的水準も高く(そういう人たちは安易に反日運動に走らない)、北京に対して対抗意識を持っているというから、私が抱いた印象は上海人に対する印象ということでよろしく。
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