昨日は雨の中、中学生の息子の合唱コンクールを聞いてきた。授業参観するよりクラスの様子がわかるから面白い。毎年、良くも悪くも若さにあふれる演奏を聞かせてくれるんだけど、今年はちょっと元気がたりないなーという感じがした。全体的に声だけでなく、表情とか口の開け方もおとなしめで、口先だけで歌ってる感じ。でも最後の音楽の先生による講評では褒められていたから、自分の期待値が高すぎたのかもしれない。元合唱部員の血が無駄に騒いでしまったのだろう。
それに今の子達はいわゆる裏声を使った歌唱法を習わないらしく、地声を張り上げ頑張ってたな。曲によってはそれでもいい感じなんだけど、三年生の学年合唱の「大地讃頌」でもその歌い方だったので、あの荘厳な曲が少々子供っぽい印象になってしまったのが残念。
「大地讃頌」はもう古い部類の合唱曲になるのかな。自分が中学生の時も歌った。混声4部で中学生ながらに「なにこの歌カッコイイ」と惚れ込んで歌いこんだ曲だ。
だから、「とにかく元気に歌いました」というデリカシーのない演奏に出会うとがっかりする。ほら、p(ピアノ)の入りは小さくすればいいってもんじゃなくて、必要なのは緊張感なのよ、逆にf(フォルテ)は大きくがなりたてたらダメで、腹の底から出す堂々とした声がいいの、とか心のなかで忙しく講釈を垂れてしまった。もちろん、目の前の中学生が歌っているのだって彼らにできる最高のパフォーマンスに違いないのだどね。たぶん教える側がそんなに高度な表現を求めていないのだろう。
にしても「大地讃頌」てほんとに「大地を誉めよ讃えよ」しか語ってないのね。本来は「混声合唱とオーケストラのためのカンタータ〈土の歌〉」の最後に置かれている曲だからそれでいいのだと思うけど、これ単体だけ取り出して歌詞を見ると結構意味不……というか、ひたすら神をたたえる宗教曲とよく似てるなあと思う。
考え方によっては、日本人にとって自然の力の源である大地は神と同等の存在だから、宗教曲と似ていて当たり前なんたろう。
なんだかまた合唱隊で歌いたくなってきた。
来月本番の第九は、歌で出ればよかったかな。びおらパートは人が余り始めてるし。
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