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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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旅行記おまけ

旅はあっという間に終わったけれど、海軍関係を中心に、太平洋戦争末期の資料を嫌というほど見てきた。その感想を少々。

■ 「大和」は技術力の結晶だった。
「やまと」といえば真っ先に宇宙戦艦を思い出す管理人だが、今回、さまざまな資料を見て本物の凄さを感じた。
当時の最先端の技術を投入して、しかも秘密裏に建造された「大和」。造船所を見下ろせる山に入るには許可が必要だった。そうやって造られた日本最高級の軍艦は沖縄海戦で沈められ、今となっては東シナ海の底で眠る。なんて損失なんだと思うが、技術そのものが沈んだわけではない。当時培われた技術力は戦後、日本の復興に非常に役立ったという。
科学技術はまず軍事分野で発達し、その後民間に下りてくるのが世の常なんだろうか。思えば原子力だって、まず爆弾としてその威力を示し、エネルギー源として利用されるようになったのは戦争が終わってからだ。
軍事なんて、突き詰めれば「殺らなければ殺られる」だし、現実的には「自国にはこれだけ強力で優れた武器があります。手を出せばそっちが痛い目にあいますよ」と力を誇示しあうことによって実質的な戦闘を避けているのだから(まあ、中には国境にちょっかいを出して隣国の出方を伺っている姑息な国もあるけれど)、技術力の競争は武力の競争に限りなく近い。
人間が最高の能力を発揮するのは、身を守る必要にせまられた時なのか。

■ 愛国心はそんなに悪いのか
戦時の英雄は健在だ。旧海軍兵学校の資料館では、ひっそりとではあるが敬意を払われ大切に遺品が保管されている。特攻隊兵士の遺書もたくさんあった。そのほとんどが国のために戦ってきますという内容だった。本音がどんなふうだったかは想像もつかないが、とにかく文面は志が高かった。
人間魚雷が作られた経緯も知った。魚雷の中に操縦者が乗り込み、敵艦に確実に体当たりして爆破するというアイデアは、もともと二人の若い兵士の発案だった。最初のうち、上官は実現を渋っていたが、戦局が悪化する中で、最後の手段として採用に至ったという。もしかすると神風特攻隊も同じような経過をたどったのかもしれない。壮絶で薄ら寒い話だ。
「国」すなわち故郷を守るという気持ち、それ自体は崇高なものだ。だが、先の戦争において、いつしかそれは集団催眠のごと日本人の中に浸透し、ついにはある種の狂気へと変貌していったように思える。特に数々の遺書を見ていると、そのように思われてしかたない。
さらに悪いことには、戦争が終わってから日本人は、戦時中の狂気と悲惨さを忘れ去ろうとするあまり、国を守るという志までも封印してしまった。後に残ったのは焼け野原と精神的な支えを失って茫漠とした精神。それ以来、日本人が日本という国を大切にする行為がおおっぴらには出来なくなってしまった。今や「愛国心」とか、それに類する言葉は敬遠されるし、国歌や国旗を忌み嫌う人種が出てくるし、国の防衛は他国まかせになってしまったし。
結果から言うと、特攻隊の行為は、自らの命だけでなく、日本人の精神まで絶ってしまったのだと思う。
かつて彼らが命をかけて守ったこの国は、今、どうなっている?
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