忙しすぎてよくわからないうちに終わりかけている2019年、何があったのか一度はきちんと振り返らないと、本当に記憶の彼方に失せてしまいそうなので、取り急ぎまとめてみた。
まずはわかりやすく、今年足を運んだ展覧会や演奏会の記録から。
展覧会
1968年 激動の時代の芸術(静岡県立美術館)
チェコデザイン100年の旅 (岡崎市美術博物館)
「世界を開くのは誰だ?」(豊田市美術館)
「スヌーピーミュージアム」展(名古屋市博物館)
クリムト展(豊田市美術館)
あいちトリエンナーレ(全会場)
瀬戸現代美術展(旧産業技術総合研究所中部センター瀬戸サイト)
シャルル=フランソワ・ドービニー展(三重県立美術館)
「藝術創造する装置」展(愛知県立芸術大学内)
アッセンブリッジ名古屋 (名古屋港)
カラヴァッジョ展(名古屋市美術館)
《嗅覚のための迷路》(清須市はるひ美術館)
岡崎乾二郎・視覚のカイソウ展(豊田市美術館)
演奏会
ジークフリート(びわ湖ホール)
アセンブル管弦楽団 定期演奏会(東海市芸術劇場)
バロック・アンサンブル《ミュンヘン-ザルツブルク》(宗次ホール)
名フィル第468回定期演奏会(愛知県芸術劇場コンサートホール)
ふじの花交響楽団定期演奏会(藤枝市民会館)
「サックス&ピアノ クラシックとジャズの交差点2」(長久手市文化の家森のホール)
映画
「私のちいさなお葬式」
「天気の子」
「プロメア」
「アリータ:バトルエンジェル」
「海獣の子供」
上記に対するコメント
ををを……展覧会の数、半端ねぇ… というのが正直な感想。自分でもビックリ。
特に愛トリは一行で済ませてあるが、実際は3会場すべて+リピート回があるから合計6回は行ってるし、瀬戸市現代美術展も2回は見てる。どうりで9月10月は休みに休んだ気がしなかったわけだ。
ただし、それで自分の中の何かが変わったかと言うと答えが出るまでにはもう少し時間がかかりそうだ。少なくとも好奇心を満足させることはできた、と言えるけれども。
続いて演奏会はプロ・アマ含めて6回しか出かけていない。正直なところ、あまり良い演奏会を見すぎると自分も弾きたくなるので控えめにしておいたというのもある。
びわ湖ホールのジークフリートはとにかく圧巻で、オペラ体験の凄みを感じて帰ってきた。また、エンタメ性では「クラシックとジャズの交差点」がいい感じで、こちらは肩肘張らずに音楽の楽しさとエッセンスを伝えることに成功していると思う。名フィル定期は面白そうなプログラムが多くて、もう少し足を運びたかったが、どうにも休みの都合が合わず、何度か涙をのんだ。
映画はぼちぼちかな。今は、環境にさえこだわらなければ殆どの作品が家で見られる。だからあえて映画館まで足を運ぶのは、単に早く見たい・邪魔の入らない環境で集中して見たい、の2つが主な理由。(もちろん、応援上映や爆音上映を楽しみに見に行く人がいることも知っている)
映画館で見てよかったと思えたのは「海獣の子供」そして「プロメア」。どちらも完全に日常を断ち切った空間で見たほうが、いい鑑賞体験ができる。
今年のメインイベント
といえば、やはり自分が乗る演奏会、「神々の黄昏」(もちろん全曲版)。仕事との兼ね合いで相変わらず練習には満足に出られない一方で、技術的には最難関の曲。もう無理と思いつつ、気ががつけば、6時間近くに及ぶ長い演奏ができるような体力が心身ともについてきた。こころなしか肩のまわりとか二の腕にも筋肉がついてきたような…。
落ちこぼれそうになりながらも「指輪」の最後をしめくくる壮大な終わりの物語に参加できたことは、とても貴重な経験だった。なにしろ「楽劇」だ。歌手、合唱団、指揮者、演出担当、各団体や部門をマネージメントする人、大勢の人(それからお金)が動く。自分は1プレーヤーとして参加したのみだったが、スタッフ陣は大量の作業をこなさなくてはならない。そんな中で色んな人に支えられつつ練習を積み重ねたこと、さらに本番までたどりつけたことは幸運だったし、また、ワーグナーの音楽を身体に取り込めたことは、今後音楽を演奏したり鑑賞したりするうえで、大きな財産になると思う。
一方で、負担も大きく、無理をして練習に出ている影響が日常生活を侵食し始め、これ以上続けるのは難しくなってきた。もちろん、練習に出ること自体は、日頃のストレスを解消する絶好の機会だし、オーケストラでの人付き合いも大事にしたい。でも、いったん活動をやめるなら「ニーベルングの指輪」の締めくくりである「黄昏」を終えたときがチャンスだ。そんなわけで、今は完全にフリー。
オーケストラ活動がなくなってヒマができるかといえば、まったくそうではなく、美術展めぐりにはまってしまった。運良く(?)あいちトリエンナーレやクリムト展など、話題の展覧会が目白押しで、行き先に困ることはなかったし、読みたい本も山と積まれている。音楽ができない代償行為と言えなくもないが、しばらく楽器から離れて美術や読書にどっぷり浸るのも悪いことではないだろう。
また、美術展の感想を書いて反応をもらえることも面白かった。特に、記事の場所を「note」へ移してからは、どんな人がイイねを押してくれたかわかるし、ツイッターで告知したときにも遠くまで拡散される。遠くまで広がるほど、ちゃんとした文章を書かなくてはと襟を正す気持ちになれるところも良かった。
なので、あともうしばらくは美術展やお出かけの記事、時には本の感想が中心になると思う。音楽系の知り合いの方々には、不義理ばかりで申し訳ない。遠くない「そのうち」に復活できたらと願っている。
そしてSNSを通じて私の書いた記事にたどりつき、実際に読んでくださった方々(もちろんリアルなつながりの方も含みます)にも、心より感謝申し上げます。
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