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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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愛トリ2013 まずは栄から

三年ぶりのあいちトリエンナーレ、ずっと楽しみにしていて、今回は張り切ってフリーパスを購入した。とりあえず今月は栄の芸文センター会場を攻略。

三年前、高校受験生だった娘は今や花の大学受験生。三年前、津波はまだ来てなかったし、原発はまだ牙をむいていなかった。ダンナ氏の実家も自分の実家も当たり前のようにそこに存在していたが、まるであの震災とシンクロするかのようにほぼ時を同じくして無くなってしまった。

今年の愛トリのテーマはこれ。「揺れる大地――われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」

芸文センター11階展望回廊に展開された
ダン・ベルジョヴスキの作品の一部。
窓ガラスいっぱいの落書き。
(以下、写真はいずれもクリックで拡大します)



芸文センターには、主に震災後を意識した作品が集められているというだけあり、原発関連の作品が多くて刺激的な出会いがたくさん。また中国や韓国など東アジアからも多く出品されてるのが印象的だった。下は彦坂尚嘉の作品。
 裏から見ると…→すみません吹きました
次は進撃中の中国より
 街が浮いてます。
上海近郊の水郷の町に住むハン・フェンによる「空中都市」。一つ一つの建物が極細の糸で吊り下げられているため、展示室内を歩くと、巻き起こったわずかな風で街全体がゆらゆらゆれて、とても危うい印象を受ける。実際に上海の過密都会ぶりを見ているので、すごくしっくりくる。


一番「これはキテる!」と感じたのが、宮本佳明による
「福島第一原発神社」
 
なんと、福島第一原発の模型を作り、その上に入母屋屋根を乗せてしまっている。ご本尊は原子炉だとでも…?!
いやいやいや、冗談にも程があるでしょと思ったけれど、作者のコメントを読むと決して皮肉や諧謔でこの作品を作ったわけではないとわかる。一部を抜粋すると、
「このブロジェクトの目的は、今後一万年以上にわたって溶融燃料を含む高レベル放射性廃棄物を現状のまま水棺化して安全に保管することにある。」
「危険なものを危険であると知らしめることもまた建築の大切な役割である。建屋は建築でさえなかった。ここではその役割を巨大な和風屋根に託している。」
つまり溶解した原子炉を、現代版荒ぶる神と見立てているのか。
神の怒りが鎮まるまで一万年祀り続けろと。
何て物を私たちは作り出してしまったのだろう。この、いつ暴れだすかわからない「現代の神」はまだ日本中に何柱も存在するのだよ?



そのほか、原発関連の作品としては、アメリカの発電所の風景を撮り続けるミッチ・エプスタインの写真、フィンランド南西部の島に原発を建設する過程をビデオ撮影したミカ・ターニラの作品、そしてもうひとつ、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニによるワークショップの記録映像(黒澤明監督「生きものの記録」を福島からの避難者に見せ、彼らの語り合う様子を映像に撮ったもの)の印象が強かった。
また、希望を感じさせる作品としてヤノベケンジの「サン・チャイルド」シリーズやオノ・ヨーコの作品群があり、今生きているこの時代と直結する数々の作品に出会えたことを喜びつつ帰ってきた。
現実を知り、そこから目をそらさないことも大切だし、現実の先に希望を見出すことも同じように必要なことだ。
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