図書館で見つけたCDをご紹介。
富田勲といえば、遙か昔、自分が高校生のころに話題になった。あのときは「へえ、シンセサイザーでなんかカッコいいことしてるんだ」という程度の認識しかなかった。つくづく若かったなぁ。でも今また出会えて嬉しい。
「亜麻色の髪の乙女」や「月の光」など有名なクラシック曲をシンセならではの音でカバーしたものだけど、表現力とセンスが素敵すぎる。中には「ソラリスの海」なんて曲も入っていて、あら映画音楽もあるのかしらと思ったら、原曲はバッハの「三声のイノヴェンション」のひとつだった(汗)。
ちょっと聴くと癒し系音楽に聞こえるし、実際、幻想的な響きにうっとりさせられる一方で、音楽のアレンジのみならず、1音1音が手作りの音だと思うと、凄い!の一言。シンセは、本当に白紙の状態から、曲のイメージに合わせて音を合成してゆく。音波の波の形をいじったり、フィルターを使ってさまざまな効果を付け加えたり。そうやって今まで聞いたことのない音まで作り出す。
だから、あらかじめ様々な音が用意されているエレクトーンを演奏するのとは訳が違うし、必要とされる技能は演奏能力よりも作曲&アレンジの能力。うん、先日「大人の科学・シンセサイザー・クロニクル」を読んだおかげでその凄さがしみじみわかる。
しかし、ナイスな響きだなぁ。あくまで人工的に合成された音であり、アナログな楽器が出す音とはまったく異質なのだが「それが何か?」とつぶやきたくなるやわらかさと切れの良さ。
たたんだ先は拍手お返事
Hさん>
お見舞いありがとうございます。おかげさまでずいぶん調子が戻ってきました。この年になると、準備運動が欠かせなくなってきますよね。合奏前にストレッチをするオケがあってもいいとさえ思う今日この頃です。ありま想像したくないですが(笑)
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COMMENT
シンセ全盛時代
富田勲、「惑星」のカセットテープ(爆)を持っていました。当時、宇宙探査ロケットで次々と宇宙の謎が解き明かされていくのをニュースで見ながら、この曲をわくわくして聞いてました。懐かしい。
「月光」も当時聞いたなぁ・・・ピアノとはまた違った、異次元の幻想的な雰囲気が漂う曲でしたよね。
電子楽器(というかエレクトーン)がオーケストラを真似よう真似ようとする中で、シンセ独特の曲だったりアレンジの曲が出てき(それ以前にももちろんあったけど)、YMO 喜多郎 富田勲はシンセの一時代を築いたんだと思います。
Re:シンセ全盛時代
富田シリーズ、意外に某所でも反響が大きくて、それだけ時の人だったんだなぁと今更ながら驚いています。
「惑星」>
今欲しいアルバムがこれ。少し前ネットを漂流していたら「トミタの〈惑星〉はすごい」という噂を聞きつけ、気になって仕方ありません。
>当時、宇宙探査ロケットで次々と宇宙の謎が解き明かされていくのをニュースで見ながら
同じですっ! 「さよならジュピター」やカール・セーガンの「COSMOS」など、宇宙関連の話題が盛り上がりましたよね。今は日本人宇宙飛行士が活躍する時代なのですよねぇ(しみじみ)
エレクトーンがオーケストラを真似ようとしている>
それは、Y○M○H○のエレクトーンコンサートなどを聴いてひしひしと感じました。真似ようとするから偽物くささが出てしまうのだなぁと。電子楽器は、電子楽器だからこそできるユニークな音を生かした方がずっといいと思います。だからこそ、富田勲のほか、YMOや喜多郎が一世を風靡したのですね。
今は電子音楽が当たり前になりすぎて、あらゆる効果音として使われてしまったので、「シンセの音だから聞いてみよう」という時代ではなくなってしまいましたが、YMOや富田の作り出した音は今でも新鮮です。ゆくゆくは電子音楽の古典になるんじゃないでしょうか。