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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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こんな音色アリですか

小雨降るある秋の土曜日、陶壁コンサート@瀬戸市文化センターを聞きに行ってきた。今年から始まった企画で、ホールのロビー内、巨大な陶壁画の前で定期的に行われるミニコンサート。

秋はしっとりとサックス&ピアノで。でもジャズではなく、あくまでもクラシック路線で、というのがとてもマニアック。
(クリックすると拡大できます)
PIANO: 江川智沙穂
SAXOPHONE:石川貴憲


サックスというので、ブラス的な音を期待していたら、聞こえてきたのはひどく透明感のある音で、びっくりした。サックスはクラリネットに似て、一枚舌のリードなのだが、クラリネットよりはむしろフルートに似た響きがする。
実は、我が家にも練習用サックスがあって昔ダンナ氏が吹き散らかしていたのだが、似ても似つかない音だ。いったい何をどうすれば……? というか、同じバイオリンでも(ドラえもんの)静香ちゃんと(元ウィーンフィルの)キュッヒル氏が扱うのではまったく違う楽器になるので、そういうことだろう。
さらに、楽器の色艶が楽器店で見かけるサックスとは全然違う。わすかに赤みがかっていて、ホーンの部分には筋彫りで見事な装飾が入っている。特注品か? と思わせるほどデリケートな楽器に見えた。


☆曲目紹介
(編曲はすべて石川貴憲氏による)
シューマントロイメライ
ビゼー「アルルの女」第2組曲より 間奏曲
シューマン3つのロマンス
ドヴォルザーク家路(交響曲第9番2楽章より)
モリコーネニューシネマパラダイス
ラヴェル亡き王女のためのパヴァーヌ
カッチーニアヴェ・マリア
アンコール
ドヴォルザークユモレスク


アルルの女の間奏曲は、もともとサックスソロとして有名だが、その他の曲はサックス用に編曲されている。編曲も石川氏の手によるもので、ドヴォルザーク「家路」などは「遠き山に日は落ちて」として有名なあの部分だけかと思ったら、元ネタの2楽章を、ドラマチックな中間部も含め、まるっと取り入れてアレンジされていたので、大満足。
トリ曲の「アヴェ・マリア」はシューベルトでもなくバッハでもなく、比較的現代に作曲されたカッチーニのアヴェ・マリア。(カッチーニは16世紀の音楽家ですが、「カッチーニのアヴェ・マリア」は1970年頃にロシアの音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフによって作られたそうです)これが、非常にアツくてカッコいい。
アンコールのユモレスクは、日頃聞き慣れたのとはひと味違う、小粋で軽めのノリで演奏されていて、とても新鮮だった。あれならビオラでも弾けるぞ(センス良く弾けるかどうかは別にして)

ピアノの江川氏は、最初のトロイメライを除き、ほとんど伴奏に徹していたけれども、存在感がスゴい。特に低音が鳴る鳴る。使用されていたピアノはセミコンサートピアノといって、小さめサイズのグランドピアノだったのだが、それがガンガン鳴っていた。上半身の筋肉が鍛えられてるのだろうな。演奏者はアスリートですよ。

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