少々気が早いが、次の定演で演奏するシベリウスの交響曲第2番を聞いてみた。
学生のころに買ったアシュケナージ指揮のCDがあったので、ほこりを払って引っ張り出す。
懐かしい。
それ以上にスケールの大きさに圧倒された。
この曲を聴いていると、まるで絵やフィルムを見ているような気分になる。
大雪原の中をとぼとぼ歩く人の影とか、雄大な山々とどこまでも青い湖とか、そんな景色が見えるような気がする。
あるいは、火のそばで暖を取りながら昔話に耳を傾ける子どもの姿。
シベリウスは、北欧神話や伝説をモチーフに沢山の曲を書いているので、もしかすると子どものころから、数々の伝説を聞いては想像を膨らましていたのではないだろうか。
暗く長い冬が毎年訪れる北の地方では、家に閉じ込められる冬の間は、物語をつむぎ出す格好の時期だったらしい。逆にそうでもしないと、精神的にもたないそうだ。
ということで、シベリウスの曲には独特の世界があって、それが魅力的でもあり、演奏するときには非常に難しく感じるところでもある。
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COMMENT
はじめまして。
長い冬の間、語り継がれてきた神話などにはとても興味があります。
フィンランドはずっと母国語を守ってきた国、そういう点でも伝承力が
強そうです。シベリウスはなるほど冬が良いのでしょうね。(11/3投稿分)
Re:無題
神話は時代を超えて語り継がれてきた分、奥が深いですね。そしてシベリウスの曲を聞くと、必ず張り詰めた冬の空気と独特の不思議な世界を感じるのです。
ご来訪ありがとうございました。またそちらにもお邪魔します。
(11/4返信分)