たまに車のラジオをNHKFMに合わせると、面白いクラシック作品に行き当たる。
先週は偶然立て続けに興味深いものに出会った。ベートーベンの「運命」って全楽章ピアノで弾けちゃうんだなぁ。
さてさて、まずは、チャイコフスキーの交響曲第4番。一家月ほど前、CDを買って聞いた時にはカッコいいのは冒頭だけだと思っていた。そしたらフィナーレもなかなかいけるではないかと気づいた。5番や6番よりもむしろ、作曲者の生っぽい感情が入っているかもしれないと思った。
次はベートーベンのバイオリン協奏曲をクラリネット用に編曲したもの。これはびっくりした。ちょうどカデンツァの直前から聞き始めて、「ああ、次はバイオリンの聞かせどころが始まるな」と構えていたらいきなりクラリネットの音がしたので、ひっくり返りそうになった。
そして最後が、リスト編曲によるベートーベンの交響曲第5番のピアノ版。これは2楽章のラストから聞き始めて、へぇーと思った。ちょっと甘い感じがよく似合っていると。三楽章と四楽章はどうやって料理するのかなと思ったら、やはり甘かった。甘い上に重い。(>_<) フルーツのぎっしり詰った味の濃いパウンドケーキを食しているみたい。
本来の運命を知らなければ「この曲かっこいい!」でおわるのだけど、伊達に本来のテンポ、勢い、ノリなどなどを知っているので、違和感ありあり。むしろ曲の構成はわかりやすいし、どこをどう強調したいのかもビシバシ伝わってくるのだけど、うーん、ベートーベンを素材に別物をアレンジしたといってもいい。
いったい誰が弾いているのかと思えば、グレン・グールドだった。納得。
PR
COMMENT