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びおら弾きの微妙にズレた日々

乱痴気騒ぎとはこのことで

瀬戸オケの定期演奏会におじゃましてきた。
(団員さんからチケットを頂いたし、指揮者が以前お世話になったI先生!)

今回のプログラムはこちら。

ブラームス 悲劇的序曲
ハチャトゥリアン 組曲 仮面舞踏会
チャイコフスキー 交響曲第五番

チャイ5は若い頃(十○年)に弾いた懐かしい曲であり、仮面舞踏会はその中のワルツを先日弾いたばかり。I先生がどのように料理されるのか、それが一番の興味だった。

期待しながら聞いてみると。
全体として、どのフレーズも命あるもののように呼吸していた。あるときは声をひそめ、あるときは朗々と歌い、あるときは軽口を叩き、そして咆えるべき時には咆える。タテの線は合わせなければいけないけれど、必ずしもメトロノームみたいに一定のリズムを刻むのではなく、大きなリズムの範囲内でのびたり縮んだりする。音楽は生き物、ナマモノだということを改めて思い出した。

中でも最大の収穫は「仮面舞踏会」。
これは、もともと劇に付随してつけられた音楽で、のちに作曲家自身の手によってコンサート用の組曲として書き直されたもの。
まず、ストーリーがすごい。ロシア貴族たちが集う舞踏会が舞台になっているが、そこである男が妻の浮気を疑い、思いつめた挙句なんと毒殺までしてしまう。が、実は彼女の浮気はなかったとあとで知り、男は罪悪感に苛まれ、とうとう気が触れてしまうという筋書き。
このクレイジーさ、どこかで似た感じの音楽がありましたねぇ。……そう、2年前にI先生に振っていただいた幻想交響曲。あの時もすごかった。
ワルツが始まった瞬間、やっぱり違うねぇ、と心地よい敗北感を感じた。先日、自分たちがアンコール用にさらりと流しただけのワルツと同じものとは思えない。繊細なダイナミクス、ぐんぐん破滅に向かってゆく止めようのない力。見事な表現だった。美しい部分はあくまで美しく、けれど踊りのステップは決して止まらない。呪いのようなステップですよ?
一番驚いたのは終曲のギャロップ。クラリネットがユニゾンではなく、なんと短ニ度(つまり半音)の和音で主題を吹く。当然ものすごい調子はずれな響き。かと思えば、拍子がころころ変わって、音楽の進行はもうぐちゃぐちゃ。作曲家の頭がおかしくなってしまったんじゃないかと思った。もちろん、おかしくなってしまったのは、劇中の人物であって、音楽はあくまでもそのクレイジーぶりを演出するためもの…なんだけど、この曲を指揮するI先生の背中がクレイジーの境地に入ってた気がする。I先生に食いついてゆく瀬戸オケすごい。見事な仮面舞踏会だった。TpのソロとかClのソロとか素晴らしかった。

後の二曲についてはさらりと流すだけでいいかな? うん、いいことにしよう。
悲劇的序曲 → 最初から最後まで、ちゃんとブラームスの音がしてそれだけでお腹いっぱい。
チャイ5 → 繊細だけどメリハリの効いてる演奏で良かった。金管の音が前に比べて質が上がった気がする。もしかして奏者入れ替えとかあったのかな。
あとビオラのトップサイドにすわっていた男性。 弓使いがド派手で、トップを食ってましたから(笑)。でも、あの弾きぶり、長久手ビオラーズにも少し足したほうがいいんじゃないかな。みんな品がいいから。

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