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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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11月の曲なのに蝉の声がよく似合う

現代曲ついでに、武満徹「ノウ゜ェンバーステップス」の感想を。

これを最初に聞いたのは、8月の暑いさなかだった。静まりかえっているはずの部屋でCDを鳴らした。
管弦楽による演奏の部分を過ぎて、尺八と琵琶の二重奏の部分に入る。ところが、そこにアブラゼミの声が加わって、3重奏に聞こえるのだ。まるで違和感がないことに驚いた。それどころか「閑さや岩に染みいる蝉の声」の世界が立ち上る。
半分キツネにつままれたような気持ちで、あとの半分は心底凄い音楽だと思った。

次に聞いたのは9月。もう蝉の声はない。
すると、先日聞いたのと同じ箇所が、まるで違う印象で聞こえた。今度は寒々とした11月の景色が見える。
これで本当にノヴェンバーステップス、11月の梯子だ。
8月に見えたのは何だったんだろう。

ところで作曲者いわく、西洋音楽は横に流れ、日本の音楽は縦に動くという。両者を無理に融合させようとしても駄目で、むしろ対立させた方が互いに引き立つらしい。
そこではっと気が付いた。
だから日本の弦楽器は、琵琶だの三味線だの琴だの、はじくタイプばかりで、胡弓みたいに弓でこすって音を出すタイプはないのか。(←一人で勝手に納得)
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この曲を聴くと…

  • by くりるん♂
  • URL
  • 2006/04/19(Wed)17:12
  • Edit
この曲を聴くと、ああ自分には紛れもなく日本人の血が流れているんだなあと実感できます。荒涼とした野っ原に吹き荒ぶ風、田舎道、貧しい農村の原風景。次から次へと近代以前の日本のイメージが湧いてきます。
(9/12投稿分)

Re:この曲を聴くと…

  • by O-bake
  • 2006/04/19 17:13
日本人の血が流れてるって、私も感じました! 尺八や三味線の音色は格別なんだなぁって。 尺八なんて、外国人に聞かせたら雑音にしか聞こえないんじゃないかと思うのですが、詫びや寂びの空気がひしひしと伝わってくるんです。ほとんど見たことがないはずの、ひなびた田舎道が見えてくるのが不思議です。
今日この曲を聴いたときには、コオロギが伴奏につきました。蝉ほどではありませんでしたが、なじんでました。
(9/12返信分)

この曲確かニューヨークで…

  • by くりるん♂
  • URL
  • 2006/04/19(Wed)17:13
  • Edit
この曲確かニューヨークでバーンスタインが振ってるはずです。彼は雅楽をはじめとする日本の楽器に興味を持っていたようで、ひょっとしたら日本人の心が少しは理解できていたのかもしれませんね。
(9/12投稿分)

Re:この曲確かニューヨークで…

  • by O-bake
  • 2006/04/19 17:14
バーンスタインの日本贔屓って聞いたことがあります。彼は東洋的なものに心惹かれる数少ない西欧人だったのでしょう。
数少ないとはいえ、欧米の芸術家は、日本の文化に興味を持つ人が少なくありませんよね。
昔、大学で教えを受けたアメリカ人の教授(同時にシスターでした)は、西洋と東洋の思想の融合に興味を持っていたようで、遠藤周作の作品を研究なさっていました。 おっと、ここは音楽館でした。
(9/13返信分)

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