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びおら弾きの微妙にズレた日々

ショパン・ノクターン 作品9-2

いつの間にか耳に馴染んでいたこの曲、初めて意識したのが、何とさだまさしの歌の中だった。このノクターンの最初のフレーズに、歌詞をつけた曲がある。(「風が伝えた愛の唄」 ここで歌詞が検索できる→
 その歌詞がメロディラインによく合っていて、とても気にいっていた。まるで、小さいころの懐かしい思い出に浸っている時のように甘くてほろ苦くい感触がした。ただ甘いだけでは印象に残らない。ビールと同じで苦いから味わいがあるとでもいおうか。

 今回あらためて本家のピアノ演奏を聞いてみたら、さらに渋い印象が加わった。
 同じ曲でも聞く環境や心理状態によって、受ける印象が変わる。また、時間とともに人間性も多少は変わってくるから曲の印象に変化があるのは当たり前だが、ようやくショパンの本質に触れることができた気がした。

 そして、今さらのようにショパンの生涯について調べてみた。これまでは、ピアノへの興味が薄いことも手伝って、ほとんど彼について知らなかったのだ。

 やはりそうだったのか……。心身ともに労苦の多かった生涯。

 ショパンはもともと病弱だったらしく、若くして肺結核を患う。内乱のため祖国ポーランドを二十歳で去り、二度と戻ることはなかった。激しい恋(ジョルジョ・サンドとの仲が有名)をいくつか重ねながらも、ついに幸せな家庭を持つに至らなかった……等など。

 多くの苦しみと引き換えに、彼は類まれなるピアノの才能を発揮し、後の世に生きる人々に名曲の数々を残した。 美人薄命というが、天才もまた薄命&薄幸だったりするわけだ。そのためだろうか、一時は「病的な側面」を強調した演奏が流行ったこともあったらしい。

 「ピアノの詩人」と評され、美しいイメージが強いショパンは、本当のところ、苦しさと戦いながらあれだけの名曲を生み出した。だから、その旋律もよく聴けばただ美しいだけではなく、怒りも悲しみもこもっていて奥が深いのがよくわかる。実際、ショパンを弾きこなすのは心身ともに大変なのだと聞く。
 今でも多くの人々の心をひきつける理由はそこにあるのだろう。
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