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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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話題の本にかこつけて

今月の4日に封切りされた邦画「四日間の奇跡」の原作を読み終えたところ。
左手の薬指を失った元ピアニストの青年と、彼の保護を受けながら養護施設などをまわってピアノの演奏をする少女が登場する話なので、必然的にピアノ曲がたくさん出てくる。
(本そのものの感想については、別の場所で)

一番軸になるのがベートーベン。次がショパン。たまにリストやシューマンなど。
最も盛り上がるラスト付近、作品のテーマを語る大切なシーンで使われるのが、いわゆる「月光」ソナタ。
このソナタの主題に使われている動機は、かの英雄交響曲の第二楽章、つまり葬送行進曲と同じだが、この作者ならそれを知った上で使っていそう。もし知らなくても直感で同じにおいをかぎつけるのは簡単だ。

読み終えてからずっと、一楽章の冒頭部分が頭の中で鳴り続けて止まらない。
確か持っていたはず、とカセットテープやCDのラックを探したが、出てきたのはワルトシュタインと熱情と告別だけ。おかしいな。
この分だと音源を求めて明日あたり、CDショップをうろつきそううだ。
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始まりはモーツァルト?

病院と買い物から帰ってきて、昼ご飯。
さて、BGMは何にしよう、としばし考えて、いつものようにモーツァルト。
最近、頭の中に疲れがたまることが多くて、眠れない日が多いので、のんびり出来る昼日中は自然とモーツァルトに手か伸びる。やはり効くんだろうか。

今日は交響曲25番。いわゆる「小ト短調」。
モーツァルトのシンフォニーはほとんどが長調で短調は2曲のみ、25番と40番だ。
どちらもト短調なので、25番は「小ト短調」と呼ばれることもある。
冒頭、激しいユニゾンのシンコペーションで始まり、鬱々とした音楽が少しずつ音量を落として、ふっと止まったかと思うと、いきなり長調の和音が大きく鳴る。鬱蒼とした藪の中から急に抜け出して明るい世界に出たみたいに。やっぱりこの人天才だ。

こんなにも有名なモーツァルトだから、有名な、特に25番のようなシンフォニーについてはあらかた解説は出つくしていると思うが、他人の感性を借りるだけではつまらない。一番いいのは自分の耳で聞いて感じて考えることだな。

モーツァルトといえば、大学オケでお世話になったK先生がモーツァルト全曲演奏会という企画を立てられ、実行された。もう15年ぐらい前の話だ。この先生にとって、モーツァルトはどのように聞こえたのだろうか。
実はK先生、小生意気な学生からはちょっと軽んじられているところがあって、やれ指揮が見にくいだの、曲の解釈に問題があるだの、陰でいろいろ言われていたりしたので、私はあまりお近づきにならなかったけれど、ひとつ、どうしても忘れられないことがある。

生まれて初めてシンフォニーに挑戦した大学2年生の春。はじめてK先生に振っていただいた時のこと。曲は「運命」の二楽章だった。
まだ音程も定まらない腕前で、♭4つ、すなわち変イ長調の主題を美しく弾くなんて、とんでもないことだった。音程とリズムが合えば万々歳というレベル。
ガチガチに緊張しまくる新二年生を前に、K先生はしみじみおっしゃった。「君たちは幸せだね。こんなに素晴らしいメロディを演奏できるのだから」と。その時、二楽章の冒頭はテキストでも課題でもなく、本当は生きている音楽で、喜ばしく演奏されるのを待っているんだと知った。

もしもピアノが弾けたなら

今週のレッスンで、娘がバイエルを終えた。
ピアノを初めてから3年と9ヶ月で終了させた計算になる。
その間にエレクトーンフェスティバルや発表会が入ったので、実質的にはもう少し短い。
次はツェルニー30番に進むそうだ。
うん、いいなあ。
自分がピアノを弾けないので、結構羨ましかったり。
娘が通っている先生のところでは、大人向けのレッスンもやってくれるので、よほど習おうかと思ったが、それなりに月謝はかかるし、なによりオケとの掛け持ちは時間的に無理だ。
あ、オケやめてピアノを始めればいいのか。

もしピアノが弾けたら、楽しいだろうな。
弾きたい曲はたくさんあるし、弾き語りとかできたら素敵だろうな。
さすがにベートーベンやショパンは聞くだけで充分だけど。

どうでもいいことだけど

昨日の朝、娘を学校へ送る時、カーラジオから聞こえてきたのはブラームスの交響曲第一番、一楽章だった。
「これはガンガン鳴らす曲なのよ♪」
とボリュームのつまみをくいっと回すと、娘に
「やっぱりママってよくわかんない」
とあしらわれた。
「これはね、あなたがお腹の中にいたころ、弾いていた曲なんだから」
と言ったらもう少し違う反応が返ってきただろうか。
いや、どうせ覚えていないんだから、やっぱり「ふーん」で終わるだろうな。

そういう娘は「エリーゼのために」にはまっている。
彼女のピアノのレベルは、バイエルの下巻が終わりかけ。
きちんさ弾きこなすには、まだ無理があるが、本人はこの曲がひどく気に入っていて、毎日のように練習している。実際それなりに進歩しているんだから、馬鹿にはできない。
もちろんピアノの初級者にとっては憧れの曲として有名だけど、娘の心をつかんだのは有名性より正真正銘メロディの美しさだと思う。
にしても、親子でベートーベンかい。

話はブラームスにもどって、ブラームスもまたベートーベンに多大な影響を受け、あの第九を引き継ぐ曲としてシンフォニーの一番を書いたわけだけど、曲の中身が実に濃い。
曲の基本的な構成は、古典的なんだけど、旋律同士の絡ませ方、テーマの膨らませ方、クライマックスの作り方など非常にこみ入っていて、劇的。
言い方は悪いが「怨念がこもっているなー」という印象。
その辺、ベートーベンは感情的にあっさりしているし、クライマックス部分は外に向けて盛り上がっている、と思う。
部品を設計図通りに組み合わせて壮大な建築物を造ったぞ、すごいだろう、という感じ。もちろん部品も設計図も自前で準備するのだから、簡単に出来上がる物ではないという前提で。

ブラームスも設計図通りに部品を組み立てるのだが、ひと癖ふた癖ある設計図である上に、部品の一つ一つに強い念が込められている感じ。
クライマックスの盛り上がりは内向きのパワーが感じられる。うーん、難しい。心の内部に食い込んでくるような盛り上がりと言ったらいいのかな。

そこへ行くと、シューマンはひたすら上、つまり理想の世界を見ているし。

今日もお疲れ

オーケストラの練習日。乗り気薄な子供たちをひきつれて出かける。
指揮者を迎えての練習だったので、さぞかし賑やかだろうと思って行ったら、意外にこじんまりしていた。
1stバイオリンが6人、2ndバイオリン3人、びおら4人、チェロ、コンバスが1人ずつ。
うーん。本番の人数の半分もしくはそれ以下。今ひとつな人数だなあ。
そろそろエキストラが現れてもいい頃じゃないのかな。
そのせいかどうかはわからないけれど、指揮者の気合いも今ひとつだったような。

今日は、田園の4楽章と2楽章をみっちりしごかれた。
曲の表情を云々する以前に、パート同士のリズムがかみ合わない。
ベートーベンなんだから、いつでも必ずどこかのパートがリズムを刻んでいる。だからそれに耳を傾けてくれればいいのだが、悲しいかな、誰もが自分の楽譜と音に夢中なのだ。

2楽章の16分音符をうねうね弾きながら、「後ろの管楽器、頼むから正しいリズムにはめてくれ~!」と心の中で叫んでいた。指揮に合わせればメロディとずれる。メロディにつけると指揮者と合わない。びおら弾きはどうすりゃいいんだ。

人間の感覚は微妙な一方で、かなりいい加減な部分もあり、リズムなんかは、その場の雰囲気や身体の都合にものすごく振り回される。(指が回らないとかブレスの都合とか)
つまり、規則正しく弾いているつもりでもいつの間にか走っていたりのびていたりするものなのだ。
dim...と見れば音が小さくなるだけでなくテンポが勝手に落ちたり、下降音型になると自然と急いでいたり。
すると違うことをやっているパートと合わなくなるのは当然で、逆にそういうクセみたいなものを意識していると、それだけで改善されたりするのに。

練習後はいつにも増してへろへろ。肩から指の先までじんじんと痺れたようになっていた。
びおら弾きにとって、田園の中で一番体力的にきついのが2楽章。続いて4楽章。どちらも音符の密度が濃い。例によって、表に出る部分はごくわずかで、延々と縁の下の力持ちをやらされる。それが合奏になると美しい響きを支えるのだからやめられない。

今月のつぶやき

ネタは切れてからが勝負です

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