音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。
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昨日の演奏会、本気モードでシベリウス1番を弾いていて、4楽章の最後まできてふと思った。
曲の中で最も大切なテーマを再現する場所があるとする。その効果を高めるために前振り的な装飾がつくことがある。例えば、ミ~ファミミレ~ドレミレ……というメロディのテーマがあるとすると、その直前にドレミファソラシドレ、という音階がくっつくなど。そうすると坂道を駆け上がって見晴らしのいい頂上に出るような効果が期待できる。
シベ1の4楽章再現部、最も盛り上がる場面がこの作りになっていて、弦パートがユニゾンでこれを鳴らす。ベタすぎるほどのカッコ良さ。ところが、やたら臨時記号が多くて弾きづらい。たぶん、♯が5個つくロ長調の音階。
楽器というのは、♯や♭が増えるとそれだけ鳴りにくくなる。1つか2つなら割と開放的な響きがするが、調号が5つもつくと、正確な音程が取れていてもちょっと不安定で微妙に響きにくい音になる。だから不思議な気がした。一番声を大にして叫びたいはずのところで、どうしてシベリウスは手かせ足かせをはめるように♯をたくさんつけたのだろう。
無事に演奏会終了。スリリングな場面とかいくつかの事故は毎度のようにあるが、なんとか乗り切り、これまたいつものように本番当日が最高のパフォーマンスになった模様。
今回のプログラムは
フンパーディング 「ヘンゼルとグレーテル」序曲
ベートーヴェン 「交響曲第8番」
シベリウス 「交響曲第1番」
ダブルシンフォニー+序曲というてんこ盛りメニュー。なかなか体力のいる組み合わせだけどそれぞれの曲の色合いが違うので、聞く分には飽きが来ないのでは、と思ったが実際はどうだったんだろう。